2022/11/12
富士通は若手社員を期間限定で管理職級に登用する制度を導入した。任期を基本1年として公募し、新卒2年目の社員を課長級に抜擢(ばってき)した。従来は管理職に昇進した人材を一般社員に戻しにくいため若手の登用が難しかったが、期間限定にすることで管理職級を経験する機会を増やす。事業転換に若手の柔軟な発想を活用するため、年功序列を見直す人事制度が広がってきた。
(日本経済新聞 10月28日)
元々、富士通を含めIT業界では、若手に権限を与えて新規プロジェクトの責任者に任命することは広く行われてきた。ただ、上司である管理職が自らの権限の一部を部下に委譲して自由に仕事をやらせるという形態であるため、プロジェクト責任者であっても処遇は元のポジションとそれほど変わらない。しかし、課長級にするということは、権限だけでなく、待遇も変わることになる。待遇の差によって、外資系企業に優秀な人材を奪われてきた日本企業としては、必要な一手だ。
富士通の課長の給与は、本人の成果によって異なるが、概ね年収1,200万~1,400万円になる。新卒2年目でこの待遇を得るチャンスがあるという事実は、優秀な人材を引きつける上で効果的だ。
一方、年齢に関係なく、管理職に登用するというルールであれば、役職定年後のシニア層にも若手と同じチャンスを与えるべきだ。役職定年後に管理職に復帰するということもあっていい。
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