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日本企業、IoTやAI活用で大きな後れ 深刻な技術者不足

20190126

日本経済の原動力となるIoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)、ビッグデータなどの活用で、日本企業は欧米やアジアのライバル企業に大きく後れを取っていることが鮮明になっている。最も大きな要因は、最先端の技術を駆使する高度デジタル技術者の育成不足だ。
その結果、国内の主要企業では、高額報酬によって海外の人材を確保しようとする動きが広がり、「外国人依存」の現状があらわになっている。このままでは、日本は産業競争力の面でさらに後れをとりかねないとして、政府もようやく本格的な人材育成に乗り出した。
(ロイター 1月9日)

日本におけるAI技術者の不足は深刻だ。もともと、日本では、大学から優秀な学生を大企業が集め、企業内で教育することで実務を担う技術者を育ててきた。企業は大学教育にそれほど期待せず、企業での実務を通じて学ぶ方が効果的だと考えられてきたからだ。しかし、今のAIの進歩はそのような人材育成方法では追いつかないほど速い。理科系の学生は修士卒が多いが、そこから就職してAIの研究、開発を始めても、市場でトップに立つには時間がかかりすぎる。加えて、大企業の優秀な技術者の主な仕事は、社外にITシステムの開発を発注し、外注管理することで、自ら研究開発をすることでなかったりもする。

この状況を打破するには、企業は外部の知見を広く活用するとともに、企業内にAIの研究開発の核となる組織と人材を育て、大学とも連携して、若い学生も参加する研究開発体制を構築することが重要だ。インターンも企業紹介を目的とするものだけでなく、共同研究を目的とするものもあって良いだろう。

谷萩 祐之

著者情報:
谷萩 祐之

1958年生まれ、早稲田大学理工学部数学科卒。富士通株式会社でソフトウェア事業、マルチメディア事業、グローバル事業、コンサルティング事業を担当した後、現在、谷萩ビジネスコンサルティング代表。経営コンサルティングの傍ら、雑誌等で執筆活動を続ける。著書:「Webが変わる プッシュ型インターネット技術入門 」

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