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派遣エンジニア不足、外国人を大量採用 人材各社

人材サービス各社が人手不足感が強いエンジニア派遣で、アジアなどの人材の大量採用に踏み切る。国は専門性の高い外国人を積極的に呼び込む政策を採っており、人材会社が外国人技術者を正社員として雇用し、企業に派遣する環境が整ってきた。国内在住の外国人エンジニアは5万人前後。人材会社はエンジニア派遣の外国人を合計で年間1000人規模で増やす。外国人の専門人材の国内流入に一段と弾みがつきそうだ。
あらゆるモノがネットにつながる「IoT」の普及などを背景に、国内ではエンジニア需要が増えているが人手不足感が強い。一方、アジアの理系学部出身の大卒技術者は待遇改善が見込めるため、日本企業で働きたいという人材も多い。人材各社は需要が大きいと判断した。
(日本経済新聞 6月1日)

積極的に外国人エンジニアを採用してきた欧米の企業に比べて、日本企業の国内の研究開発部門やIT部門で働く外国人の数は少ない。しかし、日本企業のグローバル化と国内の人手不足から、外国人の能力をより活用しようとする動きが活発になってきた。現地採用だけでなく、国内での正社員の外国人採用枠を拡大する傾向が続いている。そして、その流れは、正社員だけでなく派遣エンジニアにも及んできた。

かつて日本企業が国内で外国人エンジニアの採用に躊躇していたのは、日本人とのコミュニケーションの問題の他に、企業機密の社外流出への懸念があったからだ。流動性の高い外国人エンジニアが国内の研究開発拠点の中枢に参加することに、情報漏洩リスクを感じていた。

しかし、今は、事業のグローバル化に伴い、研究拠点そのものが全世界に展開する時代だ。もはや日本人エンジニアだけでは企業の成長はあり得ない。それに、そもそも情報漏洩リスクは外国人だけでなく日本人にもある。時代は、企業全体の情報セキュリティの堅牢化を進めてリスクを抑制し、外国人の技術力を積極的に活用してチャンスを追う時代になってきた。

谷萩 祐之

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谷萩 祐之

1958年生まれ、早稲田大学理工学部数学科卒。富士通株式会社でソフトウェア事業、マルチメディア事業、グローバル事業、コンサルティング事業を担当した後、現在、谷萩ビジネスコンサルティング代表。経営コンサルティングの傍ら、雑誌等で執筆活動を続ける。著書:「Webが変わる プッシュ型インターネット技術入門 」

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