2017/03/18
育児や介護を理由に退職した社員の再雇用制度が、鉄道業界に広まりつつある。主なターゲットは女性退職者だ。女性の鉄道員が珍しくなくなり、長く働き続けてもらうことが会社にとってもメリットになってきた。人手不足の解消という差し迫った事情を抱える会社もある。
JR東海は4月、育児や介護、海外赴任する配偶者への帯同のために退職した元社員の再雇用制度を始める。現役の間に登録しておけば、退職後6年以内なら試験を経て再び正社員になれる。性別は問わないが、会社が想定しているのは女性の再雇用だ。
同社の正社員約1万8千人のうち女性は約2千人。全体の離職率(2013~15年度の平均)は1・2%だが、女性に限ると4・6%と割合が高くなる。ある幹部は「辞める女性の多くが優秀で、退職は会社にとって打撃。運転士は育成に1年以上かかるなど、コスト面でも痛い」と話す。
(朝日新聞 3月15日)
女性従業員を多く抱える航空業界では女性退職者の再雇用は珍しくなかったが、今や、その波は鉄道業界にも押し寄せている。鉄道業界でも、航空業界と同様、女性正社員は専門性の高い仕事に従事している割合が大きい。人手不足が深刻化する中、女性の退職は会社にとって痛手だ。女性従業員をターゲットとした社員の再雇用制度の整備が進むのは当然の流れと言える。
ただ、そもそも育児や介護を理由に退職する女性正社員が多いというのも問題だ。女性か男性かに関わらず、育児や介護をしながらでも仕事を続けることのできる働き方改革も同時に求められている。専門性を維持しながらも勤務の時間や場所の選択肢を広げることのできる、そうしたフレキシブルな人事制度が必要だ。
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