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生涯給料トップ500社ランキング

生涯給料が多い順にトップ500社をランキングとしてまとめた。あくまで理論的に割り出した推計値ながら、一定の目安となるはずだ。対象企業の平均生涯給料は2億1765万円。母数がやや異なるものの、昨年同時期のランキング(2億1350万円)に比べて415万円増えた。マクロな景気、雇用環境の好転を実数字としても反映した格好となった。
調査対象企業の平均値にも近いが、生涯給料2億円は一つの目安とされる。その5割増しの3億円超は約180社と全体の約5%程度で、同2倍の4億円以上となると25社となり、同1%以下に絞られる。

(東洋経済オンライン 11月10日)

ランキング上位には、キーエンス、日本M&Aセンター、GCAサヴィアン、朝日放送、テレビ朝日、野村HD、伊藤忠、フジ・メディア、三菱商事、三井物産と業界として給与水準が高い金融、放送、商社が多い。

しかし、生涯給料6億7千万で1位のキーエンスは、センサーや計測機器を製造するメーカーだ。付加価値の高い製品に特化して他社と差異化し、かつ、グローバルに事業展開して高い利益率を上げて、それを従業員に還元している。一方で、株主に対する配当性向は10%程度とそれほど高くない。株主に対しては成長に伴う株価上昇によるキャピタルゲインで報い、従業員には給料で報いるという戦略のようだ。

キーエンスととかく比較されるファナックも17位の4億4千万と生涯給与は比較的高い。16位と18位は、それぞれ、日本テレビとTBSであり、放送業界並みの給与水準ということになる。ファナックは、中国経済減速の煽りをうけて足元では予想より減益となっているが、技術に支えられた競争力は衰えていない。

メーカーの技術力は人が支えている。技術力を競争力に転換して高い利益を確保し、人に報いる経営が、これらの企業の成長を支えているようだ。逆に、高い利益を確保するために、人に無理を強いる経営を行った東芝は、今、苦境にある。

谷萩 祐之

著者情報:
谷萩 祐之

1958年生まれ、早稲田大学理工学部数学科卒。富士通株式会社でソフトウェア事業、マルチメディア事業、グローバル事業、コンサルティング事業を担当した後、現在、谷萩ビジネスコンサルティング代表。経営コンサルティングの傍ら、雑誌等で執筆活動を続ける。著書:「Webが変わる プッシュ型インターネット技術入門 」

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