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給料が30代にグンと増える500社ランキング

上場企業約3600社を対象に最新の有価証券報告書(2014年6月期~2015年5月期)の公開データを基に、各企業が所属している業界ごとの賃金カーブとの関係から30歳と40歳の年収を推計。その差を割り出し、特に差が大きい、つまり30代で給料がたくさん上がっていると推測される上位500社のランキングとしてまとめた。単体の従業員数が30人に満たない場合や、平均賃金の発表がない企業は対象外とした。

1位は野村ホールディングス。30代の推計昇給額は497万円とダントツだ。調査対象企業を平均すると、30代の推定昇給額は約124万円、40歳推計年収は589万円となった。

30歳推計年収では下位にランキングされていた会社が40歳推計年収では上位にあったり、あるいはその逆になったりするケースも少なくない。30代の推定昇給額の多さで目立つのは銀行や証券などの金融系だ。「若いときはそれほどでもないが、年齢を経て役職が付いてくると給料も高くなる傾向が強い」とは、元メガバンク社員の証言である。
(東洋経済オンライン 11月2日)

2位以下は、朝日放送、三井住友フィナンシャル、ジャフコ、テレビ朝日、フジ・メディア、三菱UFJフィナンシャル、キーエンス、伊藤忠、三井住友トラスト、日本テレビ、TBS、三菱商事、三井物産とランキング上位には、銀行、証券、テレビ放送、商社など年収の高い業種が並び、30代推計昇給額は軒並み300万円を超えている。年収が高ければ、昇給額も多いのは当然だが、30代での昇給額が比較的高い企業には、それなりの要因がある。

ひとつには、「元メガバンク社員の証言」にもあるように、管理職と一般従業員との給与格差が大きいことだ。30代は管理職になる年齢でもあり、管理職の待遇がよい企業では、給与は一気に上がる。逆に、管理職になっても基本給がそれほど上がらない企業だと、残業手当がなくなる分、給与総額は下がることもある。

もうひとつは、30代で管理職になる割合が高いことだ。金融、放送局、商社など取引先との交渉力が重要な業種では、30代になれば、多くの大卒従業員に何等かの肩書を与える。一方、メーカーなどでは、大卒の半分程度しか管理職に登用しない企業もある。そもそも、製造部門を持つメーカーでは、大卒比率が相対的に低い。

30代という一期間の昇給額に着目したランキングではあるが、企業の様々な側面を示唆してくれる数字でもある。

谷萩 祐之

著者情報:
谷萩 祐之

1958年生まれ、早稲田大学理工学部数学科卒。富士通株式会社でソフトウェア事業、マルチメディア事業、グローバル事業、コンサルティング事業を担当した後、現在、谷萩ビジネスコンサルティング代表。経営コンサルティングの傍ら、雑誌等で執筆活動を続ける。著書:「Webが変わる プッシュ型インターネット技術入門 」

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