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Gunosyの2期目の決算が公開!売上3億に対して当期純損失13億円の衝撃

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2014/08/29付の官報にニュースキュレーションアプリGunosy(グノシー)の2期目の決算公告が開示され、株式会社Gunosyが13億にもなる巨額の赤字を垂れ流していることが判明した。
今回新たに公開された数値を見ると、なんと売上3億に対して当期純損失が13億円!
販管費が16億円もあるので今回の赤字は顧客獲得のためにTV広告、ネット広告に莫大に投資した結果なのだろう。PLの細かな数値としては売上3億5900万、売上原価8千万、販管費16億、BSでは流動資産6億、流動負債8千万、純資産6億。共同代表の木村新司氏が大勝負に打って出ていることが分かる。
きっとSmartNewsの背中を追いかけつつも、NewsPicks、カメリオ、pressoといった競合と一気に距離をあけたいのだろう。赤字を全く気にせず大型増資を重ね、集めたお金を広告に投じることで勢力拡大を狙うGunosyはある日突然破綻したりしないだろうか。あまりの綱渡りに見ているこちらがハラハラする。
広告を出した分、リピーターが定着しているのかが気になるところ。ネット上では依然としてSmartNewsの評判が高く、Gunosyは悪評が目立つため、もしかすると過去にSmartNewsのUIを丸パクリした悪い印象がまだ根強く残っているのもしれない。
Gunosy経営陣がたった1つのアプリにここまでテコ入れするのは「Yahooのようなプラットフォームにする」といった壮大なビジョンがあってのことなのだろうか。今後もニュースキュレーションアプリの戦いに注目していきたい。

ニュースキュレーションアプリのGunosy(グノシー)は、2014年4月に海外展開を始め、6月23日には12億円の資金調達の実施を発表するなど、総額20億円程度調達している。今回の決算は、Gunosyが調達資金のほとんどすべてを販売管理費に投入して国内外でのシェア確保に邁進していることを示している。

この経営方針はKDDIなどの出資者とも合意の上だろう。Gunosyのダウンロード数は2014年6月時点で400万。これを1年以内に1000万ダウンロードにし、英国、米国などの海外展開を推進して世界で1億ダウンロードにするのが目標だ。

1000万ダウンロードと2.5倍になり、売上もダウンロード数に比例して増加すると仮定すれば、売上は9億円となる。計算通りなら、早晩、販売管理費の投資は回収できる。

ネットに溢れる情報を収集、整理し、必要な情報を選択して提供してくれるキュレーションサービスの需要は今後も増大すると考えられる。しかし、ニュースキュレーションアプリも雨後の竹の子のように生まれている。その中で競争力を維持するには、個々の利用者が必要とする情報を選別して提供するパーソナライズド・サービスの質を高めなくてはならない。トップに立つには、宣伝だけでなく、サービス品質の向上にも投資する必要がある。

谷萩 祐之

著者情報:
谷萩 祐之

1958年生まれ、早稲田大学理工学部数学科卒。富士通株式会社でソフトウェア事業、マルチメディア事業、グローバル事業、コンサルティング事業を担当した後、現在、谷萩ビジネスコンサルティング代表。経営コンサルティングの傍ら、雑誌等で執筆活動を続ける。著書:「Webが変わる プッシュ型インターネット技術入門 」

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