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大卒就職率98%、最高に並ぶ コロナで入社繰り下げも

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厚生労働、文部科学両省は12日、今春卒業した大学生の就職率(4月1日時点)が、前年比0.4ポイント上昇の98.0%となり、過去最高だった2018年春に並んだと発表した。高校生も98.1%(3月末時点)と、0.1ポイントの低下ながら高水準を維持し、「企業の採用意欲は引き続き高い」(文科省)という。  
就職率は希望者のうち就職した学生の割合。大卒の地域別では、中国・四国以外の5地域が前年を上回り、北海道・東北と近畿は過去最高となった。  
しかし、厚労省によると、今春卒業者で6月10日現在、新型コロナウイルスによる内定取り消しが107人、入社時期の繰り下げも994人に上り、産業別では宿泊・飲食サービスなどが目立つ。
(時事通信 6月12日)

コロナ禍の影響が大学生の就職率に現われるのは来年春の採用である。採用減がどこまでに至るのか。ふたたび就職氷河期のような状況が再現されると、非正規雇用からのキャリアを強いられ、正規雇用に転換するチャンスを逃すと、経済的に不安定なまま40代に入ってしまう。

さらに来春にかけては、コロナ不況で結構な数の大学生に退学者が発生しそうな兆候も懸念される。
筑波大学では全学生のうち2割が退学を検討していることが判明し、窮余の策として大学当局は全教職員に寄付金要請の文書を配布した。配布対象には、身分の不安定な非常勤講師や有期雇用の事務職も含まれた。

非常勤講師や有期雇用事務職のなかには、1万円程度を寄付した人もいれば「不安定な身分である我々に寄付を要請するのは筋が違う。本来なら自分たちは支援される側の立場だ」という理由で寄付を拒否した人もいるという。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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