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第一生命、営業職員の初任給を2万円引き上げへ

第一生命保険は2016年度から、同社で保険の販売に従事する営業職員の初任給を2万円引き上げる方針を固めた。
営業職員の初任給引き上げは、01年以来15年ぶり。政府・日銀が、経済界に賃上げを要請する中、他の企業にも同様の動きが広がるか注目される。

第一生命には現在、約4万2000人の営業職員がいる。様々な業界で人手不足が深刻化し、営業職員の採用も以前より難しくなっている。このため、待遇を改善して優秀な人材を確保する狙いがある。契約件数など営業成績に応じて給与に上乗せする「歩合給」の引き上げも検討している。
(読売新聞  1月5日)

大手企業の賃上げが進めば、アベノミクスはトリクルダウンどころか、ますます大手と中小の格差を拡大させてゆく。今春の賃上げラッシュに中小企業が無理に追随しようとすれば、人件費倒産は避けられまい。
中小企業がこの隘路を抜け出すには、何らかのイノベーションを仕掛ける以外にないが、ハードルは規制だ。既得権益の保持に固執する業界団体は、政権与党にとっては有力な票田になるから、岩盤規制に容易に穴は開けられない。
票田を捨てても岩盤規制に穴を開ける覚悟があれば、政権与党は、票田以上に大きな浮動票を獲得できるかもしれないが、それは未知数である。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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