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大和ハウス、定年年齢67歳を選択可に 人材確保、多様なライフスタイル支える

大和ハウス工業は13日、これまで65歳としていた定年年齢について、社員が67歳への変更を選択できる制度を来年4月から導入すると発表した。経験が豊富で働く意欲がある人材を確保するとともに、社員は自分の意思で定年年齢を選べることで、自身のライフスタイルにあった勤務ができる。大手企業で定年を67歳にする取り組みは全国でも珍しい。
大和ハウスは2013年に、60歳だった定年年齢を65歳に引き上げていた。同社では現在、65歳までは60歳と同水準の給与や賞与が支払われ、昇格の対象にもなるが、新制度で67歳定年を選んだ場合も、同じ給与水準などが定年まで続く。
大阪市内で報道陣の取材に応じた芳井敬一社長は新制度について「役職についても、代わる人がいなければ(65歳以降も)継続できるようにしたい」と語った。
芳井氏はまた「将来的には、後ろ(より高い年齢)に動かすことも考えられるような制度にしたい」とも述べ、今後、定年年齢をさらに引き上げる可能性があることも示唆した。
(産経新聞 12月13日)

 大和ハウス工業はシニア人材の活用を計画的に進めてきた。
 2013年4月に60歳定年から定年年齢を5年引き上げた「65歳定年制度」を導入し、15年4月には65歳以降も現役として働き続けることができる「アクティブ・エイジング制度」を導入した。当初の週4日勤務制を週5日の勤務も可能とした「現役同等コース」を設け、さらに技術系の職種については年齢上限を撤廃した。生涯活躍を可能とするコースである。
さらに22年4月には、年齢だけを理由とした60歳一律での役職定年や年収水準の下がる処遇体系を廃止し、60歳以降も役職任用や昇格の機会がある制度へと改定した。
これらの制度改正について同社は「ベテラン社員の持ち味である豊富な経験・人脈を営業・技術の各現場において活かせるとともに、若手社員へのノウハウの伝承を通じた人財育成につなげている」とコメントする。
シニア人材の活用には同社のような精緻な取り組みが求められるだろう。キーワードは「活躍」である。シニア人材を義務として再雇用するのではなく、ひと花もふた花も咲かせられる就業環境を整えれば、本人も経験則に拘泥せずに職場に価値を提供するのではないだろうか。現役世代のロールモデルになれればよいと考える。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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