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地場産業の後継者支援へ「継業サポーター」を育成

M&Aの対象となりづらい地場産業等の後継者課題を解決するため、事業承継版・空き家バンク=「ニホン継業バンク https://keigyo.jp/ 」、継業・事業承継支援の地域拠点「継業サポートセンター」などを運営するココホレジャパン(岡山県岡山市)は、地域の個人事業主、小規模事業者の継業・事業承継を支援する「継業サポーター」の育成と、それを支える共助の仕組みづくりを目指し、新たに継業サポーター研修とドネイション制度を導入した。
継業サポーターの育成では、個人・団体・企業に対し、ニホン継業バンクの活用を通した実践的な継業・事業承継支援研修を行い、継業・事業承継支援に関する知識・ノウハウを習得する機会を提供する。
ドネイション制度では、任意の金額をドネイションすることで、継業サポーターの活動を支援できる。支援した人には、お礼としてニホン継業バンクの記事を3日間先行公開する。
(ココホレジャパン作成ニュースリリースを要約 11月6日)

大手コンサルティングファームが主催した事業承継の研究会で事業承継の焦点として①2025年事業承継問題(高齢化、後継者不在)②事業承継の方法としてM&A活発化③労働力不足を起因としたDX推進、働き方改革の必要性④新規ビジネス創出、新規マーケット進出の必要性⑤ガバナンス改革の必要性――この5点が示された。
日本の企業数は約360万社だが、研究会に登壇した講師によると、240万社のCEOが70歳以上、そのうち120万社が後継者不在、さらにその60万社が黒字なのに1年以内に廃業のリスクを抱えているという。俗にいうプロ経営者を紹介する仕組みが整備されていないなかで、講師はサクセッションプラン(後継者育成プラン)の必要性を指摘した。
中小企業の場合、多くは人脈とノウハウが社長に一元化されている。それを承継するには一定の期間が必要で、とくに人脈は相手との相性もあるため、たとえば無理な条件の取引を受け入れ合うような、いままでと同様の関係を継続できるとは限らない。相性に左右されない属人的な関係から組織同士の関係への転換が必要だ。
それだけにサクセッションプランを普及させないと、スムーズな事業承継はできない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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