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就活生へのセクハラ、企業に対策義務づけへ 審議会で労使が大筋合意

就職活動中の学生らに対するセクハラについて、厚生労働省が企業に対策を義務づける方向となった。21日の厚労省の審議会で、労使が大筋合意した。男女雇用機会均等法は従業員をセクハラ被害から守る対策を企業に課しており、対象を求職者にも広げる。
 セクハラについて同法は、企業に相談窓口を設けるなどの対策を義務づけているが、対象は雇用している従業員に限られている。審議会では、就活生についても、採用面接やインターンシップ(就業体験)の際のルールを定めておくことや、相談窓口の設置といったセクハラ対策を企業に課す案が示されている。
(朝日新聞デジタル 10月21日)

 就職活動時のセクハラ対策には行政も動いている。都道府県労働局雇用 環境・均等部(室)は、就職活動中の学生等へのハラスメント防止のための事業主への助言や、就活セクハラ等についてのトラブルの解決援助などに取り組んでいる。
 厚生労働省と文部科学省は、就職活動におけるハラスメントにあわないために、知っておきたい2つのポイントとして①採用担当者との食事や飲酒、密室での面談、個人携帯メール等でのやりとりは避ける②早い段階で相談――を挙げる。
 そのうえで両省は付言する。まず①について。過去の就活セクハラの事件では、採用担当者が、食事や飲酒の強要、個室での1対1の面談を求める 行為、個人の携帯メールやLINEなどで連絡を入れてくるといったことがあるが、こういった不適切要求などに応じる必要はない。②については、1人で抱え込まず、所属大学のキャリアセンター、都道府県労働局雇用環境・均等部 (室)などに早い段階で相談することを勧めている。
 ただ、所属大学のキャリアセンターや都道府県労働局雇用環境・均等部 (室)への相談がどれだけ実効性を発揮しているのか。抑止のためにはセクハラを犯した企業の実名公表が必要だろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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