学生入社させれば1人につき報酬100万円　売り手市場で苦戦する広島の企業

【雇用】学生入社させれば1人につき報酬100万円　売り手市場で苦戦する広島の企業
「学生の大手志向が強く、なかなか接点を持てない」。広島県東広島市のメーカーの採用担当者は頭を抱える。2月の合同企業説明会では、自社ブースに来た学生はゼロ。にぎわう大手のブースを横目に厳しさを実感した。
就職情報サイトからの応募も鈍い。5年前は約100人だったが、ことしは30人ほど。国内シェア1位の製品を手がけるが「企業相手の商売で学生に知られていない」と嘆く。県内の別の会社は就活エージェントと契約し、学生が1人入社するごとに100万円前後の成功報酬を支払う。「経費は膨らむが、そうでもしないと学生が来ない」 　
広島都市圏の広島、広島修道、安田女子、広島工業、広島経済の5大学のデータを平均すると、広島県内の企業に就職した学生は5年前より1割減った計算になる。2019年卒では5大学の合計で2761人いたが、24年卒は288人（10・4%）減の計2473人にとどまった。県内企業に就職した割合を大学別にみると、両年の比較で10・9～2・6ポイント低下した。
（中国新聞デジタル　10月6日）

人材紹介サービス会社との取引は即戦力を求める中途採用が目的だったが、新卒採用でもニーズが増えているというが、紹介手数料を支払わざるを得ないほど採用難に陥っているのだろう。
ベネッセホールディングスとパーソルキャリアの合弁会社、ベネッセi-キャリアが提供する「doda新卒紹介サービス」の発表によると、同サービスの年間紹介人数は約2000名、契約企業数は6500社以上。
利用するのは中小企業が多いようで、2024年卒でdoda新卒エージェントを利用した企業に25年卒の採用計画を聞いたところ、20名までの採用計画を考える企業が約8割を占めた。そのうち5名以下の採用が全体の4割を占めた。
費用は完全成功報酬で、紹介手数料は、文系110万円・理系130万円（税別）。ただ、採用できても早期に退職されれば割に合わないのではなのか。
その対策として同社は、入社後6か月以内の離職を対象とした返還規定を設け、紹介手数料の一部を返金している。返金割合は、入社後 1カ月以内は報酬の80％、入社後 2カ月から6カ月以内は報酬の20％である。妥当な措置だろう。