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三井住友銀行が副業解禁へ…全従業員3万人対象、雇用契約も可能

三井住友銀行は、約3万人の全従業員を対象に社外での副業を10月から解禁する。スポーツ指導者や語学講師、外部企業で短時間勤務するケースなどを想定する。社外での業務を通じて人脈や価値観の幅を広げてもらい、組織の活性化や多様性の向上につなげる狙いがある。
 個人事業や業務委託のほか、雇用契約を結んだ働き方も可能にする。本業に支障が出ないことや、本業と競合しないことなどが条件で、1か月当たりの就業時間は20時間までとする。これまでは60歳以上で週3日勤務する従業員を対象に、社外での副業を認めていた。
 三井住友銀は2026年1月をメドに、入社した年次を給与に反映する「階層」の廃止などを柱とした人事制度改革を目指している。年齢にかかわらず能力の高い人材を優遇し、優秀な人材を確保する狙いがある。
(読売新聞オンライン 9月27日)

 三井住友銀行は副業について「自律的な挑戦の支援や人脈形成・価値観の広がりによるイノベーション創出を目的とした社外副業を認めている。多様なスキル・経験の習得を推進するため、就業時間の一部を副業部署の業務に充当する社内副業も実施している」と表明している。
 社外副業をしやすいかどうかは、時間拘束のない副業なら、在宅勤務制度の導入がポイントである。たとえば出勤が月に数回程度なら、就労形態はフリーランスとほとんど変わらない。会社がパソコンをモニタリングして監視していない限り、自由に外出できる。
 三井住友銀行の場合、在宅勤務制度やサテライトオフィスを導入しているので、副業をしやすい環境が整っている。
副業の目的は異質なスキルや人的ネットワークの獲得で、それが社業に還元されれば双方にプラスというのが、多くの会社が解禁している趣旨だ。 しかし本人にとって副業の目的は、第一に収入の確保だろう。賃金アップが物価上昇に追いつかないため、生活防衛のために副業で稼ぐ。この動機でよいのではないだろうか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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