2024/07/24
東京都は例年、都内の1000労働組合を対象に、夏季一時金要求・妥結状況を調査し、最終集計結果(令和6年7月18日現在)がまとまった。
すでに妥結した労働組合のうち、前年妥結額と比較可能な378組合の平均妥結額は83万5640円で、これは平均賃金(32万7707円・40.8歳)の2.55か月分に相当する。同一労組の前年妥結額(81万1646円)との比較では、2万3994円増加(2.96%増)となった。
産業別・業種別妥結金額の分析対象(5組合以上)となった26業種のうち、対前年比が最も高かったのは、「情報サービス」(18.61%増)、以下「宿泊業、飲食サービス業」(17.20%増)、「金融・保険業」(12.41%増)となった。
一方、対前年比が最も低かったのは、「その他運輸」(27.88%減)、続いて「私鉄・バス」(11.52%減)、「道路貨物運送」(8.04%減)となった。
(東京都報道発表資料を要約 7月22日)
83万5640円は大企業に引っ張られた数字だろう。労務行政研究所の調査によると、東証プライム上場企業の2024年夏季ボーナス平均額は84万6021円。経団連が発表した大手企業の夏季賞与は、17業種97社の平均妥結額で98万3112円だった。
中小零細企業の賞与平均額はフリーウェイジャパンの「2024年度 夏のボーナスについてのアンケート」で約35万円と発表された。大手企業の3分の1に近い。
いまや大手企業も黒字リストラを平然と行う時代だから雇用の保障は失われたが、それでも在籍中の処遇を考えれば、学生が就職活動で「寄らば大樹の陰」と大手企業にこぞって向かうのは自然な行動だろう。中小企業のほうが20代のうちから責任を持たされてやりがいがあるという昔からの訴求方法は、どこまで説得力を持つだろうか。
一方、東京都職員の夏のボーナスの平均支給額は97万1742円。平均年齢が41.6歳だが、それでも結構な水準である。
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