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夏の大手賞与過去最高、98万円 3年連続増、経団連が第1回集計

経団連が12日発表した大手企業の今年夏の賞与・一時金(ボーナス)に関する調査結果によると、組合員の平均妥結額が昨年夏に比べ4.31%増の98万3112円だった。増加は3年連続。妥結額は第1回集計として、現行の集計方式を始めた1981年以降で過去最高だった。  
2024年春闘では大企業を中心に大幅な賃上げが実現。経団連が呼びかけたことで、基本給を底上げするベースアップ(ベア)を実施した企業が多く、ボーナスも増加したとみられる。  
内訳は製造業が3.52%増の100万1780円、非製造業が6.79%増の92万5249円だった。製造業と非製造業を分けて集計し始めた97年以降、製造業で100万円を超えたのは初めて。  
第1回集計では17業種の97社について昨年夏の実績と比較した。うち14業種で増加し、業種別では自動車の伸び率が17.83%と最も高く、セメント、鉄道が続いた。一方、減少したのは化学、電機、食品の3業種だった。
 調査は従業員500人以上の22業種244社が対象で、最終集計は8月上旬に公表する予定。
(共同通信 7月12日)

 夏のボーナスの使い道はどんな状況にあるのか。収入増と物価高騰をどうとらえるかで判断することになるが、ソニー損害保険が2024年夏のボーナスについて、20代〜50代の全国の持ち家家庭800人を対象に使い道を調査したところ、2024年夏のボーナスの使い道は「預金」が42.4%と最も多く、次いで「生活費の補填」(29.5%)が多く、株式投資・NISAなどの「資産運用」(14.6%)、「ローン等の返済」(14.1%)」も多かった
レジャーではなく、貯蓄・投資や普段の生活費の足しにする傾向が明らかになった。生活防衛を優先するのは、賃上げが物価高騰に追いつかない現状を反映している。
 同様の傾向は、鹿児島銀行と九州経済研究所の調査(有効回答数600 人、うちボーナス支給あり336 人)にも現われた。今夏のボーナスの使い道は「生活費の補てん」( 70.2%)が最多で、次いで「貯蓄・資産形成」(39.3%)、「ローン返済」(27.4%)だった。その次にランクされたのが「旅行・レジャー費」(23.8%)である。
 貯蓄・投資よりも生活費の補てんが多い結果は、今春に月給がかなり昇給したところで、生活にはゆとりがないという窮状を浮き彫りにしている。冬のボーナスの使い道も同様に生活費の補てんが最優先になるのだろうか。物価高騰が沈静化しない限り、引き続き生活費の補てんが最優先されるだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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