Talk Genius

人と会社と組織を考えるニュースマガジン

シャープ、早期退職を募集 500人、子会社の堺工場

シャープが、大型液晶パネルを製造する完全子会社の「堺ディスプレイプロダクト(SDP、堺市)」の従業員を対象に、500人規模の早期退職を募集していることが12日、分かった。  
SDPの従業員数は約800人で、募集対象者は約6割に当たる。パネルを製造する従業員が対象。関係者によると、応募者には年齢に応じて月収の最大24カ月分の加算金を支払う。SDPは国内メーカーで唯一テレビ向けパネルを製造しているが、9月末までにパネルの生産を停止する。
 シャープは液晶ディスプレー事業の不振が響き、2024年3月期連結決算は純損失が1499億円で、2年連続の赤字となった。(共同通信 7月12日)

シャープの新社長兼CEOに就任した沖津雅浩氏は7月16日に開いた記者会見で「シャープらしさを取り戻す。何としても黒字にしないとクビにされるので、それではやり遂げられない。今期の最終利益50億円と発表している、この黒字化は必ず達成すると誓う」と語った。
500人の早期退職を募集した後に新社長が口にした「何としても黒字にしないとクビにされる」という発言は、決死の覚悟の現われなのか、たんなる自虐的なジョークなのか。真意はわからないが、瀬戸際に置かれている状況が漂ってくる。
同社の経営ビジョンは、2024年度は構造改革で、ブランド事業に集中した事業構造を確立して負のサイクルから脱却する。25~27年度は既存ブランド事業と新産業の正のサイクルを創出して、本社機能を強化する再成長の期間。28年度以降はグローバルエクセレントカンパニーをめざす飛躍の期間である。
この間にも早期退職を募集するのだろうか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

この著者の記事を全て見る

Talk Geniusとは-

ヘッドハンティング会社のジーニアスが提供する人と会社と組織を考えるニュースマガジンです。