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訪問介護の現場、技能実習生も対象に 厚労省検討会が労働制限緩和案

介護の人手不足に対応するため、厚生労働省の検討会は19日、訪問介護サービス分野での外国人労働者の制限を緩和する案をまとめた。研修などの条件を満たせば、技能実習生らも働けるようにする。早ければ2025年度からの実施をめざす。  
現在、介護に従事する外国人で、訪問介護サービスに携われるのは、介護福祉士の資格を持つ在留資格「介護」の人と、経済連携協定(EPA)に基づいて来日した「EPA介護福祉士」のみ。利用者と1対1で接するサービスで、事業者側が適切な指導体制を整えられないなどの理由から、技能実習生や在留資格「特定技能」の外国人には認められていない。    
19日の検討会では、日本人と同様に介護の初任者研修の修了を前提とした上で、技能実習生や特定技能の人、介護福祉士の資格取得をめざすEPA介護福祉士候補者についても、訪問介護サービス従事者とする案が了承された。
(朝日新聞デジタル 6月19日)

外国人介護人材の業務の在り方に関する検討会は6月19日、技能実習生に訪問介護の従事を解禁する施策について、雇用する事業者に対して求める措置をとりまとめた。下記①~⑤の事項を履行できる体制・計画などついて、事前に巡回訪問等実施機関に必要な書類の提出を求める。
① 研修については、EPA介護福祉士の訪問系サービスで求める留意事項と同様に、訪
問介護の基本事項、生活支援技術、 利用者、家族や近隣とのコミュニケーション、日本の生活様式等を含むものとする。②一定期間、サービス提供責任者等が同行するなどにより必要なOJTを行う ③業務内容や注意事項などのていねいに説明を行い、意向等を確認しつつ、キャリアパスの構築に向けたキャリアアップ計画を作成する ④ハラスメントを未然に防止するための対応マニュアルの作成・共有、管理者等の役割の明確化、対処方法等のルールの作成・共有、相談窓口の設置や相談しやすい職場環境をつくる。 ⑤日常生活や介護現場での困りごと等が相 談できるような体制整備など、ICTの活用等も含めた環境整備を行う。
技能実習生を訪問介護に従事させることについて、利用者宅の防犯リスクを論ずることは外国人への偏見であるという理由からか、介護関係者の間で議論されることはほとんどない。しかし高齢者宅を狙った犯罪がこれだけ多発し、しかも外国人による犯罪も増加している以上、偏見を理由に蓋をしてしまうことは現実的でない。
訪問介護では介護員がハラスメントなどの被害者になるケースが多いが、時勢柄、さまざまなケースを想定しておく必要があろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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