2024/06/26
キーエンスの2024年3月期の平均年間給与は、2067万円と3年連続で2000万円を超えた。過去最高となった前の期を212万円下回った。24年3月期の連結営業利益は前の期比1%減の4950億円と過去2番目の水準だった。好調な業績に貢献した従業員に好待遇で報い、優秀な人材の定着や採用を狙う。
17日に開示した有価証券報告書で明らかにした。キーエンスの報酬は営業利益などに連動して決まる。部署の責任者の場合、年収の6〜7割が営業利益と連動する。24年3月期の連結純利益は過去最高だったものの、営業利益は販管費がかさみ、減益となった。
キーエンスの平均年間給与は新型コロナウイルス禍の影響を受けた20年3月期と21年3月期をのぞき、直近の7年間のうち5年間で2000万円を上回った。24年3月期はキーエンスとしては過去5番目の水準で、10年前の14年3月期と比べると約627万円増加した。
有価証券報告書には24年3月時点のグループの従業員が1万2286人だったことも記載した。23年3月時点より1706人増え、1年間での増員数は2年連続で最多だった。海外事業の拡大を見据えた増員とみられる。固定費の増加に見合う業績拡大が課題となる。
(日本経済新聞 6月18日)
情報サイト「年収ランキング」(2024年版・対象は上場企業3737社)によると、1位はM&Aキャピタルパートナーズの3109万円、2位はキーエンスの2111万円、3位はGCAの2063万円、4位の1761万円、5位は三菱ケミカルホールディングス の1738万円、6位は三菱商事の1608万円、7位はTBSホールディングスの1586万円、8位はソレイジア・ファーマ の1560万円、9位は伊藤忠商事の1521万円、10位は日本商業開発の1501万円。
11位以下の顔ぶれも踏まえると、M&Aアドバイザリー会社、総合商社、テレビ局の3業種が高給の業種で、この傾向は10年来つづいている。
従来、高給はブラック労働の対価という一面もあったが、キーエンスでは、男性従業員の育児休業取得率が72.5%。厚生労働省の「令和5年度男性の育児休業等取得率の公表状況調査」で公表された従業員1000人超企業の男性育休等取得率46.2%に比べて、かなり高い水準だ。
トップクラスの給与水準だけではなく、育児休業を取得しやすい就労環境なども背景にあるのだろうか。同社の有価証券報告書(24年3月期)を確認すると、人的資本に関する指標と目標にエンゲージメントサーベイの肯定的回答率を指標に設定し、70%以上を目標にしているが、これを達成しているという。
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