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オムロン、国内希望退職に1206人が応募 募集上回る

オムロンは4日、国内のグループ各社で募集していた希望退職に1206人が応募したと発表した。主力のファクトリーオートメーション(FA)機器事業の低迷を受けて国内で1000人程度の希望退職を募集していたが、上回る応募があったかたち。海外でも約1000人を削減する方針だ。
オムロン本体や国内主要グループ会社で、4月10日〜5月31日に40歳以上の正社員やシニア社員を対象に希望退職を募集していた。応募した社員は7月20日に退職する予定だ。
中国の顧客企業の設備投資抑制などによるFA事業の低迷を受けて、オムロンは2月に国内外で連結従業員数の7%に当たる約2000人を削減すると発表した。海外では各地の法規制に合わせて人員削減を継続しており、人数が固まったら発表するとしている。2025年3月期に約280億円の関連費用を計上する見通しだが、人員削減規模により変動する可能性もある。
(日本経済新聞 6月5日)

 一般論だが、希望退職の応募者が募集を上回るのは、業績回復の見通しが立っていない場合が多い。
オムロンの2024年3月期の連結純利益は前期比89%減の81億円に低下した。制御機器事業で、グローバルで製造業における設備投資需要の低迷が継続したことに加え、販売代理店における在庫調整の影響を受けた。電子部品事業では、民生業界向けの需要低迷がつづいた影響を受けて、前期比で大きく減少した。
すでにオムロンは24年2月、24年4月から25年9月までを「業績の立て直し」と「収益・成長基盤の再構築」をテーマに構造改革プログラム「NEXT2025」を発表した。①制御機器事業リバイバルプランの実行②ポートフォリオの最適化③人員数・能力の最適化④固定費生産性の向上⑤顧客起点マネジメントシステムの導入・運用。この5つの施策を事項するという。
このうち人員・能力の最適化については、国内約1000名、海外約1000 名の合計約2000名を削減して総人件費の適正化に取り組むと発表された。国内の希望退職募集に1206名の応募があったのは、「NEXT2025」が実行される25年9月までに業績回復の目途が立ちそうもないと考える社員が多かったからだろうか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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