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賃上げ「23年超え」続々、伊藤忠やみずほ 経済団体会合

経団連など経済3団体は5日、各業界の経営トップが集まる年頭の会合を開いた。伊藤忠商事は全社員平均で6%、みずほフィナンシャルグループ(FG)は7%程度と、2024年は23年を上回る賃上げをめざすと表明した。人手不足や経済の先行きに言及する経営者も目立った。
「24年だけでなく25年もやらなければならない」。都内で記者会見した経団連の十倉雅和会長は高水準の賃上げを続けることが重要と力説した。
日本経済が着実な成長軌道に乗るには賃上げの継続が欠かせない。経団連と日本商工会議所、経済同友会が開いた「24年新年会」では同年の賃上げ水準に話題が集中した。
伊藤忠商事の岡藤正広会長最高経営責任者(CEO)は24年に「全社員平均で約6%の賃上げ、初任給の5万円アップで労使で調整している」と表明した。みずほFGの木原正裕社長は「物価高や業績を見極めながらだが、7%くらいを考えている」と明らかにした。
ローソンの竹増貞信社長は24年の賃上げについて「ベースアップを含め5%以上を目指す」と、23年の4.9%を超えるとの意向を示した。
(日本経済新聞 1月5日)

岸田文雄首相は5日、都内で開かれた経済3団体の新年祝賀会で「物価上昇を上回る所得増を実現しなければならない。夏には可処分所得の伸びが物価上昇を上回る状態をつくる」と述べた。
 物価高が止まらず、実質賃金は下がりつづけている。厚生労働省が発表した2023年11月分の毎月勤労統計調査で、実質賃金が前月比3.0%減少して、20カ月連続の減少を記録したことが明らかになった。
 11月の現金給与総額は28万8741円(0.2%増)。うち一般労働者が37万7001円(0.3%増)、パートタイム 労働者が10万4,253円(2.5%増)となり、パートタイム労働者比率が32.42%(0.46ポイント上昇)だった。
 今春は昨年以上の賃上げを実施しないと、物価上昇に追いつかない。経団連は23年の大手企業平均だった3.99%を上回る賃上げ率をめざし、連合は5%以上をめざしている。すでに大手企業の賃上げ率は、伊藤忠商事が6%、みずほフィナンシャルグループが7%程度、アサヒビールが6%、野村証券が入社3年目までの若手が平均16%など力強い数字が報道されているが、中手企業が昨年と同様の賃上げを継続できるのだろうか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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