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「非正規春闘」2024年は賃上げ10%以上要求へ 20団体参加

ナショナルセンターの垣根を越えて集まった個人加盟ユニオンなど20団体でつくる「非正規春闘実行委員会」は12月4日、2024年春闘の方針を発表した。10%以上のベースアップや正規・非正規の同一労働同一賃金などを求めるという。
「非正規春闘」は2回目。春闘の主体は正社員中心の企業内組合のため、非正規労働者らが蚊帳の外に置かれがちという問題意識から始まった。2023年春闘では飲食や小売、出版など交渉した36社のうち、16社で賃上げがおこなわれたという。
今回は2024年1月から企業側へ要求書を提出し、回答次第ではストライキを構えて賃上げを求めていくとしている。
参加する組合は次のように意気込みを語っている。
「物価が高騰しているのに賃上げがおきない。労働組合が声をあげないといけない。未組織労働者を含めた賃上げをしていきたい」(首都圏青年ユニオンの原田仁希さん) 「非正規労働者はそもそも賃金が低く、10%上がっても生活は楽にならない。世界的には20~30%の賃上げを求めてストライキというのも珍しくなく、生活実態に合わせた賃上げを求めたい」(総合サポートユニオン・青木耕太郎さん)
(弁護士ドットコムニュース 12月4日)

厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、2022年の正規雇用の平均年収は531万円。
非正規雇用の年収は306万円だったので、正規雇用と非正規雇用の差は225万円である。単純にみれば正規雇用並みの生活水準を獲得するには、正規雇用以上の賃上げが必要で、
非正規春闘実行委員会が24年の春闘で10%以上の賃上げを要求するのは妥当である。
 委員会はさらに「正規・非正規の均等待遇(同一価値労働同一賃金)」「全国一律最低賃金1500円の即時実現」も要求するという。
 非正規雇用の賃上げには、派遣ユニオンなど13団体で構成される全国ユニオンも、23 年 7 月に開いた定期大会の大会宣言で、賃上げの格差を強調した。
「『管理春闘』による賃上げは、ほとんどが大手企業に留まり、かつ、物価の上昇に追い付いていません。岸田政権が引き上げると力を入れた最低賃金は、加重平均で 1000 円を上回ることで調整に入りましたが、900 円に満たない地域も想定されまだまだ不十分と言わざるを得ません。格差は広がり、将来に展望を見いだせないまま働いている人は少なくありません」
 大手企業と中小企業、正規雇用と非正規雇用、両者の格差は以前から顕著だが、いまや解消し得ないほど開いてしまった。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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