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UAゼンセン、賃上げ目標「6%を基準」 来春闘、目標をより明確化

繊維や流通、外食などの労働組合でつくる産業別組織「UAゼンセン」(組合員数約185万人)は6日、来年の春闘の賃上げ目標を「6%基準」とする方針案を示した。働き手の購買力を示す実質賃金のマイナスが続いていることなどから、今春闘で掲げた「6%程度」との目標をより明確にした。  
賃上げ目標の内訳は定期昇給2%に、賃金体系を底上げするベースアップ(ベア)4%基準を加える。UAゼンセン幹部は「『程度』から『基準』にすることで、賃上げ目標の表現を強めた」と説明する。この日、都内で開いた集会に執行部案を示し、来年1月に正式決定する。今年掲げた「6%程度」は2012年にUAゼンセンが発足して以来最も高い水準だった。  
労働組合の中央組織・連合は10月に来春闘に向けた統一要求の賃上げ目標を「5%以上」とする方針を公表している。UAゼンセンは加盟組合には賃金水準が低いところが多く、格差是正が必要だとして、連合を上回る水準を示した。(朝日新聞デジタル 11月6日)

政府は一般職国家公務員の給与増額に伴い、首相や閣僚を含む特別職の給与も増やす法案を今国会に提出した。一般職の給与が増額されれば特別職も増額されるのが慣例で、11月8日から審議に入る。立憲民主党、日本維新の会など野党各党は一斉に反対を表明した。
法案が通れば、首相の給与は年間46万円増、国務大臣は32万円増になるという。
立憲民主党の岡田克也幹事長は「厳しい状況に置かれている人が多い。歳費アップを認めてしまってよいのか。特別職の給与が上がることは望ましくない」と述べた。共産党の小池晃書記局長は「お手盛りのようなことを認めるべきではない」と指摘したが、政策決定者がみずからの処遇を決めるのだから、お手盛りといえなくもない。
結局、首相と政務三役は増額分を自主返納することを発表した。特別職の給与水準が高いのか、低いのか、妥当なのかが問題なのではない。タイミングの問題である。
介護職やトラック運転手の給与水準が低いことが取り沙汰され、深刻な人材がつづいている時勢に特別職の給与増は、いかにもタイミングが悪い。しかも厚生労働省の毎月勤労統計調査でも実質賃金が今年9月に前年同月比2.4%減で、18カ月連続のマイナスを記録した。
実質賃金がプラスに転じてからのほうが軋轢は起きないのだが――。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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