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育休を取りやすい職場に…中小企業への業務代替手当を拡充

政府は、育児休業取得者や時短勤務者の業務を代替する従業員らに手当を支給する中小企業対象の補助金を拡充する方針を固めた。育休取得者1人あたり最大125万円を補助する方向で、経済対策に盛り込む予定だ。今年度中にも開始する予定で、育休を取得しやすい職場作りにつなげる狙いがある。
 現在も働きながら子育てや介護ができる職場環境を整える事業主を支援する「両立支援等助成金」があり、新たに「育休中等業務代替支援コース(仮称)」を設ける方向で調整している。
 育休期間中の場合、体制の整備費用として2万~5万円を補助するほか、企業が代替要員に支払う手当額の4分の3を、月10万円を上限に12か月まで補助する仕組みを想定している。厚生労働省が両立支援に力を入れていると認定している事業所には、補助額を割り増すことも検討する。
 従来は育休取得者が3か月以上休んだ場合に限って、最大で20万円を補助していた。新たなコースでは、育休期間が1か月未満でも補助が可能になる。育児中の時短勤務者の業務を代替する社員らへの手当も設け、時短勤務者の子どもが3歳になるまで、最大110万円を補助する方針だ。
(読売新聞 10月25日)

 
厚生労働省の「イクメンプロジェクト」が7月31日に公表した「令和5年度男性の育児休業等取得率の公表状況調査」結果によると、大企業でも男性育児休業取得率は半数に満たない。
 従業員1000人超企業のうち、男性育休等取得率は46.2%、男性の育休等平均取得日数は46.5日だった。「取得率を公表した効果・変化」では、「社内の男性育休取得率の増加(33.1%)」、「男性の育休取得に対する職場内の雰囲気のポジティブな変化(31.5%)」、「新卒・中途採用応募人材の増加(8.3%)」 の順で回答が多かった。
この結果について、厚労省は「男性育休取得率を公表することが、育休取得の促進だけでなく、人材獲得の面でも効果を感じている企業が多いことがわかった」と述べている。
ただ、同じ男性育児休取得率でも、厚労省の調査結果に比べて、帝国データバンクの調査結果はかなり数字が低い。平均は11.4%。規模別でみると「大企業」が14.1%、「中小企業」が10.6%、うち「小規模企業」が8.6%だった。大半の社員が取得できていない。
調査実施者によってこれだけ結果にかい離があると実態が見えてこないが、男性育休等取得率がいまだに低いことには変わりない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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