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去年の技能実習生の失踪者は9000人超 過去2番目の多さに

去年、技能実習生として在留しながら行方が分からなくなった外国人がおよそ9000人に上り、過去2番目の多さだったことが分かりました。  
技能実習生として日本に在留している外国人はおよそ32万人いますが、関係者によりますと、去年1年間で9006人の行方が分からなくなったということです。  
統計開始以降、最も多かった2018年の9052人に次いで、過去2番目の多さとなります。  
国籍別ではベトナムが最も多く、6000人以上となっています。  
技能実習生は原則、転職が禁止されていますが、より高い賃金を求め失踪した人が相次いだとみられます。  
技能実習制度を巡っては、低賃金での重労働や実習生への暴行などが問題となっていて、制度を廃止したうえで新たな制度の創設について政府の有識者会議で議論されています。
 転職の制限を緩和することや、習得した技能を生かせるようにキャリアアップを支援することなどが検討されています。
(テレ朝news 10月4日)

外国人労働者の様々な相談を受け付けて解決を図るNGO団体「神戸移民連絡会」が昨年発足した。神戸大大学院国際協力研究科の斉藤善久准教授や弁護士などで、連絡会のFacebookには相談内容がアップされている。
 固有名詞は伏せられているが、いまもなお、こんな問題が起きているのか。この有り様では技能実習制度を廃止せざるを得ないだろう。相談内容の一部を紹介する。
「縫製の技能実習生の案件です。残業代不払い。ベトナム人女性1名、技能実習2年目。新しい受け入れ先の目処が立たないと怖くて行政機関に訴え出られないとのことです。
監理団体のみなさん、引き受けていただけませんか?」
「造船の特定技能外国人6名の案件です。来日してみたら、受け入れ企業が「もう要らないから来るな」と言って受け入れを拒否し、住居も無いので知り合いの家に身を寄せています。仕方なく、他の受け入れ企業を探そうと思っても、本来の受け入れ企業が退職証明書を発行してくれないので手続きができないとのことです」
 日本での就労実態が母国で知れわたっていれば来日せずにすむのだが、最大の送り出し国であるベトナムにとって、実習生の送り出しは外貨獲得の手段という一面もあるという。だからトラブルを覚悟して、毎年送り出してくるのだろうか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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