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最低賃金改正を前に 福島県で「賃上げ許容できない」企業2割

賃上げの動きが加速するなか、福島県内企業の約2割が賃上げを「許容できない」と回答していることが民間の信用調査会社の調査でわかりました。
福島県内の最低賃金は、10月1日から現在の858円から42円引き上げ(過去最高)900円が適用されます。 東京商工リサーチの調査によりますと、県内企業37社のうち16社(43.2パーセント)は、2024年度に50円以上の賃金上昇を許容できると回答したものの、50円未満の許容は12社(32.43パーセント)、9社(24.3パーセント)は賃上げは許容できないと回答し、東北で最も高くなっています。
東京商工リサーチは業績アップが伴わない人件費上昇は、経営に深刻な打撃を与えかねないとみています。
(福島中央テレビ 9月12日)

最低賃金以上の給料を支払わなかった疑いで人材派遣会社やラーメン店が労働基準監督署によって書類送検されたニュースが流れた。違反する雇用主を次々に摘発しない限り、最低賃金改正は遵守されないという当局の意志が現われている。今後も同様の措置がつづくだろう。
 当然の流れだが、エネルギー価格などコスト増の折に、最低賃金改正は、企業にとっては辛そうだ。東京商工リサーチの調査で「許容できない」は大企業が11.9%(168社中20社)、中小企業は16.3%(2091社中341社)だった。
 経営が圧迫されるなかで、どんな対策を講じようとしているのか。最も多い対策は「商品やサービスの価格に転嫁する」の36.3%。次いで「設備投資を実施して生産性を向上させる」23.4%、「雇用人数を抑制する」12.4%の順だった。
ところが、何らかの対策に言及した企業が61.0%だったのに対して「できる対策はない」は11.2%だった。対策打てない企業はどうするのだろうか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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