2023/07/24
帝国データバンクがまとめた「東京都『社長年齢』分析調査」によると、2022年時点の東京都内企業の社長の平均年齢は59.8歳だった。全国平均(60.4歳)より低かったものの、過去最高だった前年を0.1歳上回った。健康寿命の延びに伴う社長の高齢化が進み、後継者不在による倒産リスクも高まっている。
22年中に社長交代した割合は4.62%で前年から0.25ポイント下落した。社長引退時の平均年齢は66.0歳で、社長交代による若返り効果は平均12.8歳だった。年代別では50歳以上が約8割を占め、40歳未満の社長の割合は17年から1.1ポイント減少の4.4%だった。
産業別では「製造」が62.9歳で最も高かった。一方で参入障壁が低い「サービス」(56.9歳)が最も低かった。同社の担当者は「新型コロナウイルス禍で企業が守りに入り、新規参入企業も少なかったため若い社長の割合が減少した」と分析している。
(日本経済新聞 7月13日)
社長引退時の平均年齢は66.0歳――これは妥当な年齢だろう。70歳に近づくと、なかなか引退できなくなっていくようだ。
社長が創業社長の場合、多くはワンマン体制で経営しているため、ノウハウと人脈が社長に集中している。経営幹部への継承には一定の年月が必要だが、人脈は社長のパーソナリティに大きく依拠するため継承できるとは限らない。一代限りのお付き合いに終わることも珍しくない。
こうした実態から、創業社長は誰を後継者に指名するにせよ、(自分の代わりが務めるだろうか)と心配で仕方がなく、60代のうちに踏ん切りがつかないと、そのまま70代を迎えて生涯現役路線に向かっていく。
世代交代を望む取引先もメインバンクも、要望を話すことはできるが、株主でなければ役員人事に踏み込めない。勇退を進言できるのは家族ぐらいだが、家族が勇退を促すと、往々にして依怙地になってしまうものらしい。俺の人生は俺が決めると。
その挙句、社長交代は本人の体力の衰えを待つ以外にないという結末を迎えてしまう。
一方で、自分が創業して長年経営してきた会社は分身というよりも自分と一体で、親族以外には渡したくないという本能も、創業社長には潜んでいる。
社長の最も重要な仕事は次の社長を育てることといわれるが、あくまで一般論にとどまっている。
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