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沖縄の人手不足 破格の時給2000円でも集まらない 国際通りの飲食店で深刻化

県内で多くの業種から人手不足に悩む声が上がっている。新型コロナウイルスが感染症法の位置付けで5類となったことを背景にシンクタンクや経済団体が各業種での景気の回復を分析。一方、県中小企業団体中央会の調査では国際通りの飲食店が時給2千円を提示しながら従業員を十分に確保できないケースが明らかになった。外国人労働者も含めて求人の呼びかけに人が集まらない状況にあり、人件費の上昇が経営を圧迫している。
中央会が22業種を対象とした今年5月の県内景況動向調査では、酒類や繊維の製造業、ホテル業、建設業などで景気の上向きを感じながら働き手の確保の難しさを訴える声が上がった。中でも那覇市商店街は全国旅行支援やイベント開催で景況は上向きとしながら、時給を上げなければ人材確保が難しい状況に「(景気の)先行きは依然として不透明」と報告している。  
那覇市国際通り商店街振興組合連合会の石坂彰啓事務局長によると、新型コロナ禍前の国際通りの店舗の時給の相場は900円ほどだった。今では大半が千円から1300円ほどで「特にホテルなど新規の立ち上げは一気に人が必要なので、時給が上がる傾向がある」と説明する。
(沖縄タイムス 7月11日) 

 採用難で事業が破綻する人手不足倒産が増加基調にある。帝国データバンクの調査では、人手不足倒産が2023年上半期(1~6月)に累計110件発生した。前年同期から約1.8倍増加したほか、23年に集計を開始して以降、年半期ベースで初めて100件を超えて過去最多件数を更新した。
ポストコロナの経済活動が本格化するなかで、人手不足倒産には増加基調がみられ、現状のペースで推移した場合、23年通年でも過去最多を更新すると予想されるという。
さらに従業員や経営幹部などの退職・離職が直接・間接的に起因した従業員退職型も増加し、23年上半期に33件判明、前年同期(25件)を上回り、上半期で過去最多を記録。
通年でも過去最多に達するペースで推移している。
 こうも人手不足が深刻化するなかで、飲食業の倒産がこの30年で最多を記録した。これは東京商工リサーチの調査だが、23年上半期の飲食業の倒産は、前年同期比78.9%増の424件。94以降の30年間で最多を記録した。8月にも2022年の年間倒産件数の522件を超える可能性が出てきたという。
 倒産の原因では販売不振が最多だが、これには人手不足による事業縮小も含まれるだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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