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女性役員30%に引き上げ 「女性版骨太の方針2023」を決定

政府は13日、全閣僚で構成する「すべての女性が輝く社会づくり本部」(本部長・岸田文雄首相)などの合同会議を首相官邸で開き「女性版骨太の方針2023」を決定した。東京証券取引所の最上位「プライム」上場企業の役員について、25年をめどに女性を1人以上選任し、30年までに女性比率を30%以上とする目標を明記した。  
欧米諸国に比べ遅れている女性の役員登用を促す。内閣府によると22年7月末時点で、プライム上場企業のうち女性役員比率が30%を超えているのは2.2%、女性役員ゼロは18.7%。16日の閣議決定を目指す経済財政運営の指針「骨太方針」に反映する。  
女性版骨太の方針では、国内外の投資家が企業の女性役員比率を重視していると指摘。「日本経済の成長のためにも喫緊の課題」と明記した。年内に、東証の規則に女性登用の目標や企業の行動計画策定を規定するよう働きかける。  
スタートアップ支援による女性起業家育成や、女性が出産を機に非正規雇用に転じる「L字カーブ」の解消も掲げた。
(共同通信 6月13日)

「女性版骨太の方針2023」では、東証プライム上場企業の女性役員比率を30年までに30%以上とする目標がクロースアップされているが、女性活躍を広範囲に底上げする観点から着目したい政策は「地方・中小企業における女性活躍の促進」である。
この政策では①中小企業向け補助金の審査で女性活躍や子育て支援に取り組む企業を加点する②研修用コンテンツで企業経営者等のアンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)の解消・行動変容を促す③地域金融機関を通じた女性経営人材のマッチング支援の促進④女性活躍に取り組む中小企業の好事例の横展開等 ・女性活躍の要素を重視した取引先の選定支援――が提示された。
女性経営者も女性役員も人数では中小企業のほうが圧倒的に多く、すでに多くの女性が全国のさまざまな業種で活躍している。さらに活躍を後押しするには、サポート役を務める金融機関や自治体、地元経済団体の幹部にも女性が就任したほうがよいかもしれない。
サポート側も女性が活躍する土壌ができれば、おそらく勢いがつくだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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