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糸井重里さん、自身保有の1万9000株を社員ら190人に無償譲渡

コピーライターの糸井重里さん(74)は6日、自身が創業し、社長を務める株式会社「ほぼ日」(東京・千代田区)の自身の保有株式の一部を社員らに無償譲渡すると発表した。この日、ウェブメディア「ほぼ日刊イトイ新聞」が創刊から25周年を迎えたことを受け、お祝いの意味を込め、保有株の譲渡を決めた。  
譲渡の実施は8月を予定しており、対象者は同社の役員、正社員、契約社員、アルバイト、業務受託者、派遣社員ら約190人。譲渡する株式数は、約1万9000株(5日時点の時価総額は約6600万円)。  
糸井さんは「鉢植えの苗木(株)を、いっしょに仕事をしているすべての仲間に持っていてほしかった。これからも、いっしょにこの果樹園(ほぼ日)を育てていきましょう」とコメントしている。  
ほぼ日は1979年、有限会社「東京糸井重里事務所」として設立。98年に「ほぼ日刊イトイ新聞」を創刊した。2002年に株式会社に組織変更し、16年に「ほぼ日」へと社名変更した。17年には東京証券取引所「JASDAQ」(現・スタンダード市場)に上場している。(スポーツ報知 6月6日)

無償譲渡される株式は1人あたり100株である。社員にとっては資産価値よりも、むしろ経営参画意識をもてることに意義を見出せるだろう。
ほぼ日では、社員を、同じ船に乗り、互いに協力しあって船を前に進めていく仲間 という意味を込めて「乗組員」と呼んでいるという。無償譲渡はその事例ともいえる。
糸井重里社長は6月6日付でホームページに「創刊25周年のごあいさつ」をアップした。
タイトルは「じぶんにとって、なかまたちにとって、みんなにとっての、あってほしい会社に。」。挨拶文には<いままでどおりに、「やさしく、つよく、おもしろく」やっていこうと思います><「夢に手足を」です。夢を持つのなら、手足を動かして実現していく>と真意が明晰に書かれている。
 同社の業績はEC市場の拡大を受けて好調である。2023年8月期の業績予想(2022年9月1日~2023年8月31日)は、売上高63億円(前期比6・6%増)、経常利益3億5000万円(20・4%増)、当期純利益2億4000万円(16・7%増)。
 ウェルビーイング経営と業績の相関関係がもっとクロースアップされたほうがよい。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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