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外国人留学生の国内就職、6割目標に

政府の教育未来創造会議のワーキンググループは4日、外国人留学生の国内就職率を2033年までに6割にする目標を示した。18年度は48%だった。大学と企業が連携して外国人留学生の国内就職を促す。
月内に同会議がまとめる第2次提言に目標値として盛り込む。18年度の就職率(国内進学者を除く)は日本学生支援機構が調査した。日本で就職を望む外国人留学生の割合が6割超である現状を踏まえて目標を定めた。
卒業後も国内に定着してもらうため、留学生の国内企業のインターンシップへの参加を呼びかける。大学やハローワークなどのウェブサイトで留学生への就職情報の発信にも取り組む。
海外からの留学生を巡っては、岸田文雄首相が3月の教育未来創造会議で33年まで外国人留学生を40万人受け入れると表明した。提言案ではその内訳として大学などの高等教育機関で38万人、高校で2万人に増やす構想を提示した。受け入れ数の拡大と並行して国内就職率の向上をめざす。
(日本経済新聞 4月5日)

 教育未来創造会議のワーキンググループは、外国人留学生等の高度外国人材の定着率の向上として①来日前から日本の就業慣行や就職活動に関する情報を得られるようにする②企国内インターンシップへの参画など企業とのマッチング機会を拡大する③ハローワーク等で多言語対応を含めた就職に関する相談支援を通じた環境整備を図る④大学やハローワーク、JETRO 等で留学生向けキャリアガイダンスの強化を図る――などを提言した。
ワーキンググループは在留資格の見直しにも言及。高度外国人材の受入れに向けた新たな在留資格制度として、特別高度人材制度及び特定活動における未来創造人材制度の創設を提言した。
 すでに行政と関連団体の連携で就職・定着の取り組みが動き出している。ハローワーク浜松は静岡県やNPO法人と連携して、外国人求職者の日本語コ ミュニケーション能力と職業能力の向上を考慮した就職支援を実施している。
支援対象者がハローワーク浜松に求職を申し込んでから、職業相談を通じて把握した「職務経歴」「日本語コミュニケーション能力」などを踏まえ、外国人 就労・定着支援事」の受講を案内するという流れだ。
 一方で、外国人材の雇用では機密情報の流出防止など、セキュリティ対策にも重点を置くことも欠かせない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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