2023/03/06
塩野義製薬が、最短入社5年で課長級に昇格できる人事制度を10月にも導入することが24日、分かった。従来は10年以上かかっていた。3年ごとの評価を改め、1年単位での昇格・降格を可能にし、年功序列から脱却する。狙いについて「イノベーションを生み出す優秀な人材を獲得するため」としている。
労働組合と協議に入った。勤続年数にかかわらず、成果を出した社員には昇格や昇給の機会を与える。基準を満たせば毎年の昇格もあり得る。育児や介護で休職し、復帰した社員でも成果を出せば1年で昇格できるようになる。
研究業績のある医師など専門性の高い人材を獲得するため、個別に給与を決める制度も設ける。(共同通信 2月24日)
塩野義製薬が打ち出す新たな人事体系はスタートアップ企業に類似している。スタートアップ企業の人事体系に、年齢も性別も在籍年数も関係ない。大手企業の人事体系がスタートアップ企業型に転換すれば、組織の硬直性など大企業病を予防できる。
ただ、社員はキャリア形成のステップとして勤務先をとらえるようになるため、定着率は下がっていくが、それでも働き方が型枠に拘束されなくなり、大化けする社員が出てくる。
ところで、塩野義製薬はコロナ治療薬「ゾコーバ」を開発した。厚生労働省の中央社会保険医療協議会・薬価専門部会では、ゾコーバが年間1500億円超の市場規模になる可能性が報告された。
一方で、ゾコーバは妊婦の服用にリスクがあることから、厚生労働省は「安全対策を徹底する」と方針を表明しているが、3月1日に開かれた中医協総会で間宮清委員(連合「患者本位の医療を確立する会」代表)は「安全対策を徹底するという意志が感じられない」と苦言を呈している。
この問題はまだ決着していない。
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