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1回でもセクハラ「即降格」に パナソニック傘下コネクトが導入

パナソニックホールディングス傘下でIT事業を手がけるパナソニックコネクトが、1回でもセクハラがあった場合に降格を前提とする罰則を導入したことが20日、分かった。日本企業で最も厳しいレベルを目指したといい、専門家は「長期間や複数回のセクハラで降格することはあっても、1回で即降格は珍しい」としている。
 パナソニックコネクトの樋口泰行社長が共同通信の取材に明らかにした。同社では、社員の固定席を廃止する「フリーアドレス」や社長室の撤廃など社内風土の改革を進めており、ハラスメントにも厳しく対処する。  
社内のガイドラインを変更して厳罰化。独立したコンプライアンス委員会が対応する。
(共同通信 2月20日)

 ハラスメントのなかで認定しやすのがセクハラだ。しかも「言葉がきつすぎた」と言い訳をしやすいパワハラと違い、セクハラには言い訳の余地がほとんどない。「ハラスメントの意図はなかった」という言い訳が通用しないのだ。
 だがパワハラと同様に社内の相談窓口に駆け込んでも、ウヤムヤにされてしまうケースが少なくないという。窓口の担当社員は厄介事に関わりたくないと思っているのだろうか。
 数年前、この実態を憂慮した食品メーカーでは新社長が「ハラスメントの相談は直接自分に持ち込んでよい」と全社員に通知。その後、人事異動の時期ではない不自然なタイミングで左遷された社員が数名出て、いずれもパワハラが取り沙汰されていたため、被害者が社長に通報して処罰されたのではないか。そんな噂が飛び交ったそうだ。
 ハラスメントは研修の実施やガイドラインの配布だけでは撲滅できない。抑止力に限界がある。
 当然、ハラスメントの告発が人間関係のもつれなどに悪用され、冤罪が発生することも否めない。事実認定は入念に行うことが必須だが、パナソニックコネクトは様々な観点から事実認定を行う体制を整えているのだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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