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クックパッドが希望退職募集 一部広告など6事業廃止

レシピサイトのクックパッドは10日、事業縮小に伴い希望退職を最大40人募集すると発表した。不振の一部広告事業や新規事業など6事業を廃止する。責任をとって岩田林平社長は役員報酬を2か月50%返納する。同社は有料会員が減少し2期連続で最終赤字になるなど経営不振が続いており、投資戦略を見直す。
希望退職は廃止する事業にかかわる正社員や契約社員が対象で、13日から3月3日まで募集する。レシピサイトやアプリを通じた広告事業のうち、広告企画立案など一部を廃止する。料理のトレーニングサービスなど5事業も撤退する。廃止事業の売上高は全社の約12%を占める。
 10日発表した2022年12月期の連結決算(国際会計基準)は、最終損益が34億円の赤字(前の期は23億円の赤字)だった。競合サービスの台頭などで、国内の有料会員数は12月末時点で168万人と、2年前から16%減少した。広告事業も不振で、売上高は9%減の90億円だった。(日本経済新聞 2月10日)

 クックパッドの2022年12月期の連結売上高は90億8600万円で前期比9.2%減。要因は同社の発表によると「国内レシピサービス 会員売上及び国内レシピサービス広告売上において、売上収益が減少したこと」。会員収入をみると、国内レシピサービス会員売上は64億800万円で前期比7.7%減だった。前期末と比較しプレミアムサービス会員が前期から約15万人減少したことが要因だった。
国内レシピサービス広告売上は15億4200万円。前期比で実に25.9%減となった。同社によると「原材料価格の高騰等が小売価格にも反映され、食品飲料メーカーの広告出稿意欲の低下につながったことや、広告媒体の多様化等によりクックパッドに掲載するディスプレイ広告の売上が減少したこと」が響いたが、さらにネットワーク広告も、販売数、単価ともに下落した。
 要は事業モデルの優位性が失われたのだが、競合サービスに押されたのは、それだけ参入障壁の低い事業だったからだ。
 今後の重点施策は「新規事業への投資が先行する見通し」というが、投資基準を知りたい。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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