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省庁の女性管理職、10%超え 過去最高、任用人数も

内閣人事局は29日、府省庁の管理職である課長級と室長級の職員に占める女性の割合が2023年10月時点で10.3%だったと発表した。22年の同時期から0.7ポイント上昇し、調査を始めた14年度以降で過去最高となった。管理職の職員4837人のうち女性は499人で、任用人数も過去最多だった。
 内閣人事局の担当者は「国家公務員全体で女性の採用割合が増加傾向にあり、管理職に占める割合も増えている」と分析した。今回の調査対象に部長や局長といった幹部職員、地方の出先機関は含まれていない。
(共同通信 1月29日)

 職場での男女の処遇格差がどんどん縮まりつつあるが、平均賃金の格差はかなり開いたままだ。
厚生労働省の調査では、従業員300人超の企業に勤める女性の平均賃金は男性の69.5%だった。経営幹部や幹部職にはまだ男性のほうが多いうえに、男性のほうが勤続年数が長いぶん、賃金も高いのはやむを得ないが、年齢別に男女の平均賃金を比較すれば、もっと差は縮まっているはずだ。
たぶん30歳なら同等、40歳なら男性のほうが有意に高いという結果になり、年齢とともに開いていく。平均賃金が同等になるにはまだ時間がかかるだろう。
一方、男女の賃金格差は業種によって差異がある。この差異を明らかにしたのが東京商工リサーチで、2023年3月期決算上場企業の「正規労働者の男女賃金差異」を調査した。賃金差異が最も小さかった業種は「運輸・情報通信業」で75.0%。最も大きかったのは「金融・保険業」で63.6%だった。また、女性管理職比率が最も高いのは「サービス業」、最も低いのは「建設業」だった。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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