Talk Genius

人と会社と組織を考えるニュースマガジン

運転手不足で長電バス 21日から日曜日運休

長電バスは長野市内を中心に運行していた路線バスについて、21日から日曜日の運行を休止しています。 長電バスによりますと、日曜日に運休するのは長野市や須坂市などで運行していた11路線・合わせて182本です。
ダイヤの維持には運転士99人を必要としていますが、現在は74人と不足しているのが要因です。
これまで、貸切バスや高速バスの運転士を充てるなどして運行を続けてきました。 しかし、インバウンド需要などで繁忙期を迎え、労働時間がさらにひっ迫する懸念があることから、利用者が少ない日曜日の運休を決めたとしています。
(abc長野朝日放送 1月21日)

 長電バスの日曜日運休について、NBS長野放送によると、バスやタクシーの事業者と長野市議会による意見交換で、長電バスの鈴木立彦社長は「今は(路線バスの)取捨選択をするのが先」と主張。市街地の循環バス「ぐるりん号」を運行し、大幅な減便を検討しているアルピコ交通長野営業所の植松誠所長は「行政からの特段の支援がなければ立ち行かない状況」と述べた。
 このニュースはリクルートワークス研究所が発表した「未来予測2040」を裏付ける。同研究所は、2040年には1100万人の供給不足が発生する「労働力供給制約社会」が到来すると予測している。
「輸送・機械運転・運搬」のドライバーは、30年に37.9万人、40年には99.8 万人の労働供給不足に達すると推定。 40年の労働需要(413.2万人)に対する不足率 は24.2%に達し、「4人必要な仕事に3人しか いない」状況になるという。
 その結果、荷物を配送できない地域が発生するが、荷物が届かなければ生活の維持は不可能に近い。同研究所はその地域が日本の4分の1におよぶと予測するのだが、路線バスの休止も生活エリアの縮小につながる要因だ。
 全国で中核都市を中心に、国土交通省が構想するコンパクトシティ建設に向かうのか。ただ、高齢者はいくら不便でも転居を拒む例が多いという。便利かどうかよりも、慣れているかどうかが居住地の要件なのである。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

この著者の記事を全て見る

Talk Geniusとは-

ヘッドハンティング会社のジーニアスが提供する人と会社と組織を考えるニュースマガジンです。