2022/12/30
スナック菓子「うまい棒」などを製造する茨城県常総市の菓子メーカー「リスカ」が従業員9人に違法な長時間労働をさせたとして、下妻区検は22日までに、労働基準法違反の罪で法人としての同社と、武藤秀二社長(50)を略式起訴した。下妻簡裁は同日までに、それぞれに罰金10万円の略式命令を出した。
起訴状によると、2021年1月1日から11月30日までの間、市内の工場で働く従業員9人に、労働時間の延長に関する協定を超える時間外労働をさせたとしている。
同社は「今後はこのような法令違反を起こさずに、経営を続けていく」とコメント。納付書が届き次第、罰金を納付するという。(共同通信 12月22日)
リスカのホームページには武藤秀二社長へのインタビューが掲載されている。「応募を検討している方にメッセージをお願いします」という項目に対して、武藤社長はこう答えている。
「商品知識がなくても仕事をしながら自然に覚えていけるので安心してください。職場はとっても和気あいあいで、仕事の悩みはもちろん私的な部分も相談に乗ってくれます。商品造りを通して成長することができます」
長時間労働で略式起訴されたことについて、ホームページで見解を表明するのだろうが、もはや上記の質疑応答を真に受ける応募者はいないのではないか。労働時間への言及はないが、このたびの判決からは違和感を禁じ得ない。ホームページに建前を掲載することは常道だが、この質疑応答は修正したほうがよいと思う。
企業が法令違反に走る理由の多くは目先の損得勘定だが、いずれ法令違反は発覚する。発覚すれば社内および社外での信用が失墜し、法令違反で目論んだ目先の利益を吹き飛ばす損失が発生する。法令違反は損得勘定において損なのだ。たとえ顧問弁護士や法務担当者が違法性を忠告しても、経営者が受け入れなければ遵法経営は実現しない。
遵法経営の実行を指標化して、経営者評価に活用する必要がある。
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