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デジタル庁、1000人体制に WEB3.0推進など4950億円計上

業務量が膨らむ中で人手不足が常態化しているデジタル庁が、令和5年度に定員や非常勤職員を合わせて200人程度増やし、1千人規模とする方針を固めたことが18日、分かった。体制を強化し、政府が注力するデジタル関連政策の迅速な具体化を目指す。また、同年度予算案には暗号資産(仮想通貨)の基盤技術であるブロックチェーンを基軸とした新しいネットサービス「Web(ウェブ)3・0(スリー)」推進などの経費を盛り込み、前年度当初比4・9%増の4950億円程度を計上する。
官民出身者が一体となって働くデジタル庁は1日時点で官僚出身者約450人、民間出身者約290人、その他約60人の計800人体制。プロジェクト単位で政策を進め、同庁では現在、1人の幹部が多数のプロジェクトを管理する状況にあるが「うまく回っていないのが現状」(幹部)で、人員増による体制強化が急務となっていた。
5年度は常勤職員の定員を83人増やすほか、非常勤職員も民間のデジタル技術の専門家を中心に133人増やす。実現すれば1千人を超える規模となる。(産経新聞 12月18日)

 公務員情報の専門サイト「KomuInfo」によると、デジタル庁職員年収は、職位の上からデジタル審議官が推定2183万円、統括官(グループ長)が推定1903万円、審議官(グループ次長)が1501万円。
 中途採用するエンジニアに1000万円超を支給したとしても、公務員組織の序列では上記の3職位を上回ることはない。現にデジタル庁の中途採用ページを検索すると、各募集職種の給与欄には「一般職の職員の給与に関する法律(昭和25年法律第95号)に基づき、職務経験や職務内容等を勘案し、常勤職員との権衡を考慮して決定します」と書かれてある。
 募集の呼びかけには「社会全体のデジタル化を推進し、行政におけるデジタル・トランスフォーメーションを加速させ、継続的にアップデートしていく仕組みづくりを行うことが求められます」と書かれてあるが、たとえ給与が下がっても、民間企業よりも高い視座での仕事を経験し、数年後に民間に戻るというキャリアも考えられる。
 ただ、デジタル庁に勤務したキャリアを民間企業が評価するかどうかは分からない。現状ではGAFAでの勤務経験に比べれば格落ちする。国民にアピールできる成果を出して自身の市場価値を高めることだ。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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