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リクルートの週休約3日制 “休める組織”を実現できたワケ

リクルートホールディングス傘下のリクルートは、2021年4月1日の関連7社統合を機に、同社の従業員約1万6000人を対象にした「フレキシブル休日」制度を導入した。これは、暦上の土日祝日や年末年始などの各種休暇、年次有給休暇とは別に、年間15日前後(暦に合わせて変動)の休日を自分で設定できるというものだ。
 フレキシブル休日の導入で年間の休日は145日に増え、週当たりの休日に直すと約2.8日という“週休約3日制”になった。年間の所定労働時間(1800時間)については、1日当たりの所定労働時間を7時間30分から8時間に変更することで維持し、給与額の変更などもない。  
フレキシブル休日について、リクルート スタッフ統括本部人事統括室室長の蝦名秀俊氏は「リクルート各社を統合するに当たって、マネジメントポリシーやそこに向けた制度をどう作っていくかを議論していた。出社しないことを前提にしたリモートワークも全社的に導入したが、そうした働き方がさらに進んでいったときの、10年くらい先を見据えた制度」と説明する。(ITmedia ビジネスオンライン 10月11日)

 厚生労働省は、職務内容、勤務地、労働時間などを限定して選択できる正社員を「多様な正社員」と称して、週休3日制の活用が考えられるケースとして①育児、介護、病気治療等のため勤務日を減らしたい方の定着②大学院等での学び直し、ボランティア等を希望する方のモチベーション向上③地方兼業や副業の促進を通じた人材多様化④働きやすい職場のアピール、採用競争力の強化。この4パターンを提示している。
 さる10月3日から、パナソニックホールディングスおよびパナソニックオペレーショナルエクセレンスは、働く時間の選択肢の拡大や働く場所の選択肢の拡大などを目的に、週休3日制を導入した。
 適用対象は、自己学習・ボランティア・社外副業等にチャレンジしたい社員、育児・介護等の ワーク・ライフ・バランスを実現したい社員、さらに単身赴任の回避・パートナーの転勤への帯同・遠隔地からの入社等が必要な社員。
 ジョブ型雇用を導入すれば業務範囲が明確になるので、週休3日制を導入しやすくなる。要は社員に対する“縛りを解く”という労務管理方針を明確にすることである。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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