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JAL、全社員にDX教育 大和ハウスも 構造転換に弾み

日本航空(JAL)は2023年度から全グループ社員3万6000人を対象に、業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)や顧客データの活用を柱とした教育プログラムを始める。業務の見直しや新サービスの開発につなげる。大和ハウス工業も全社員を対象にデジタル教育を始める。DXが遅れるサービス業などでもデジタル教育を通じて構造転換に弾みをつける動きが出てきた。 JALは25年度までにグループ社員の約1割に相当する3000人をマイル事業といった非航空部門などに再配置し、社員1人あたりの売上高を19年度比で15%増やす計画だ。乗務員や整備士なども含む全社員へのデジタル教育で業務を効率化したり、非航空部門の稼ぐ力を高めたりする。全社横断で共通のテーマで人材を育成するのは初めてという。 第1段階としてDXの基礎知識を学ぶほか、各部門ごとに業務効率化やサービス開発にDXをどう生かせるかを学ぶ。(日本経済新聞 10月4日)

大手企業がDX教育をはじめるニュースが多い。いまやDXを不要とする業種はほとんど見当たらなく、どの業種に属していても、すべからくDX企業に向かっている。DX企業がそれぞれの市場で商品をつくり、流通を担い、サービスを提供する。まもなくそんな時代に入る。 たとえばDX導入が進んでいないといわれた不動産業も変わった。不動産業のあり方が「不動産テック」といわれるように、いまや不動産業もDX導入が喫緊の課題になった。 東証グロース上場のGA technologies(ジーエーテクノロジーズ)は不動産流通業に分類されるが、AIを駆使した不動産のプラットフォーム運営によって2021年10月期通期決算で853億円を上げた。社名も「不動産」「地所」「開発」「リアルエステート」という旧来型の名称ではなく、「テクノロジーズ」だ。  社員200人の不動産流通会社の部長職に聞いたら、同社では社員の3割がITエンジニアで占められている。職種構成のうえではテック企業に近い。当然、給与水準も他の職種とは異なり、幹部クラスのエンジニアは年収1500~2000万円を支給されているという。 同社の管理部長は「優秀なITエンジニアは引っ張りだこで転職先に困らないので、どこも高給を支払って確保しようとしている。奪い合いだから、どんどん賃金水準が高くなっていく」と語る。 ジョブ型雇用の導入もDXとセットになって進んでいる。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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