2022/09/12
タイの技能実習生たちが、静岡県内の介護施設で研修している。新型コロナで当初の予定より1年半も遅れ、待望の来日に意欲満々だ。会話をするために方言を習ったり、思いやりを心がけた応対で、お年寄りの利用者に人気だという。
2022年6月。焼津市の病院に、タイからやってきた9人の技能実習生の姿があった。新型コロナによる入国制限が長引いていたため、予定より1年半遅れての待望の来日だ。 彼女たちが学ぶのは、介護。現場で使う専門用語を、翻訳アプリを使いながら理解していく。
介護技能実習生:とても難しい。でも頑張ります 日本での留学経験があるアージェンさんも、来日を心待ちにしていた。 介護技能実習生・アージェンさん:うれしいです。ずっと待っていて、やっとここに来られて最高です。一番頑張りたいことは、利用者さんに“思いやり”を持ちたい
7月からアージェンさんたちが配属されたのは、病院と同じグループの介護施設だ。病院がある焼津市に隣接する、吉田町の介護施設で、実習を始めていた。 タイ人技能実習生を受け入れた医療法人は、現在は施設の人手は足りているものの、実習生の将来と職員のレベルアップを目的に受け入れを決めたという。
(FNNプライムオンライン 9月1日)
外国人介護人材をめぐって厚生労働省は「外国人介護人材に係る人員配置基準上の取扱い」を検討している。EPAによる介護福祉士候補者・技能実習生など外国人介護人材を介護事業所の人員配置基準に算入するかどうか。8月26日に開いた介護給付費分科会で、厚労省は就労開始直後からの算入を提案した。
「ぜひ前向きに検討をお願いしたい」と要望した稲葉雅之委員(民間介護事業推進委員会代表委員)は、その理由を「日本人介護職と比較して外国人には直接支払われる賃金等にプラスして、さまざまな経費がかかっている。決して低くはない人件費を事業者が負担している」と述べた。
一方、人員配置基準への算入に反対したのは江澤和彦委員(日本医師会常任理事)。「奉仕の精神で実習生を育て上げて、母国でご活躍していただくということが重要な目的。介護職員の不足を補う目的で技能実習を受け入れることは本末転倒であって、決してあってはならない」と主張した。
だが、すでに人手不足対策として技能実習生の受け入れが進んでいる。厚労省が当日に報告した受入事業者のアンケートでは、3割弱が就労開始直後からの算入を求めている。その理由に「外国人介護職員には勤務を開始したばかりの日本人と同等の業務に携わらせている中で、外国人介護職員のみを配置基準に算入しないとするのは、不合理であるから」というコメントがあった。
外国人技能実習制度の趣旨は実習だが、実態は労働である。労働に即した制度変更が必要だ。
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