日本電産の新社長に小部博志氏　永守重信氏の創業時からの右腕

モーター製造大手の日本電産は2日、副会長の小部（こべ）博志氏（73）が社長兼最高執行責任者（COO）に就任すると発表した。3日付。日産自動車出身で、社長兼COOの関潤氏（61）は業績悪化の責任を取り、2日付で辞任する。永守重信会長兼最高経営責任者（CEO、78歳）は記者会見し、「外部に後継者がいるのではないかとの錯覚だった」と述べた。 　
小部氏は1973年の日本電産創業時のメンバーで、永守氏を支えてきた。永守氏は2021年6月にいったんCEOを関氏に譲ったが、業績が不十分だとして22年4月にCEOに復帰した。
（毎日新聞　9月2日）

永守氏の後継者起用については批判的な見方が多いようだが、真相は部外者にはわからないので、一般論で批判しても意味がない。ただ、孫正義氏や柳井正氏が永守氏の後継者問題を論評するのなら傾聴に値するが。起業して一流企業まで育て上げた経験がないと、後継者問題の本質は理解できない。
永守氏が後任を新たに起用しては解任を繰り返したのは、それだけカリスマ経営者の後継者問題はいかに難題かを物語っている。
「今回こそは！」と確信して起用したのだろうが、これまでは結果として空回りしてきた。
　新社長に就任した小部博志氏は73歳なので、すでに次の候補者の選定方針を検討しているかもしれない。外部から招聘するのか、社内から登用するのか。外部招聘は４回も立て続けに頓挫したが、社内登用に切り替えるのかもしれないが、登用までに時間がかかるだろう。