2022/08/26
パーソルキャリアが運営する転職サービス「doda(デューダ)」は、コロナ禍での各業種における企業の異業種人材の受け入れ実態を調査した。調査時期は、2020年1月~12月末と21年1月~12月末。
過去4年間(18年から2021年)の企業の異業種人材の受け入れ推移は、新型コロナをきっかけに減少したが、景気の回復とともに上向き傾向に転じた。21年には14.3ポイント伸び、コロナ前の2018年の水準にまで回復した。
コロナ禍(20年と21年)での業種別の異業種人材の受け入れ上昇率ランキングは、1位は「コンサルティング・専門事務所・監査法人・税理士法人・リサーチ」で約40%アップ。
DX推進等におけるIT戦略コンサルニーズの高まりを背景に、課題解決力を持つ人材を異業種からも積極採用した。
2位は「インターネット・広告・メディア」で約30%アップ。ビジネスのオンライン化が進む中で人員充足を目的に、異業種からの人材の受け入れを強化した。
さらに、外食では新規出店、旅行・宿泊では業態変革やホテルの新規開業を担う人材を異業種から積極採用した。(パーソルキャリア作成プレスリリースを要約 8月17日)
異業種からの採用でも、職種が同じならば畑違いの採用ではないが、それでも異業種の文化を注入すれば変革の推進力になるのではないか。異業種からの採用にはそんな期待が込められている。
異業種からの採用が拡大している理由について、doda編集長の大浦征也氏は、2つを挙げる。
1つ目は、新型コロナの影響により多くの企業が業態変革を試み、従来採用していなかった属性の人の採用も増やしているため、異業種から積極的に人材を受け入れていること。実店舗での営業が当たり前だったアパレルは、EC事業を強化するべく、EC運営を担える人材を異業種から採用する動きが活発化しているという。
2つ目は、新型コロナにより労働力不足に拍車がかかった特定の業種が、異業種から積極的に人材を受け入れていること。コロナ禍でデータ活用やDX推進のニーズがこれまで以上に高まり、業種問わずIT人材を受け入れて、さらには未経験者も受け入れ教育していく方針に変わりつつあるという。
ただ、異業種から迎えた社員を変革の推進力にするには、前職の業務遂行方法を一定程度は許容することが肝要だ。「郷に入っては郷に従え」と同化策をとれば、異業種から採用した意味が消え失せてしまう。異業種との化学反応から変革が創出されるのである。
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