2022/07/27
ゼネコン各社は中小・下請け会社の経営人材や技能労働者の確保を支援する。大林組は下請けの事業承継支援を始め、鹿島は下請けから出向者を初めて本社全体で受け入れ教育プログラムを実施する。ロボットなど最新技術を使った現場経験も積んでもらう。建設人材は20年間で2割減り、2024年の残業規制強化でさらに不足が深刻化することに対応する。
大林組は2022年度後半から、1次下請け会社を対象とした「跡継ぎ支援センター」を設置する。外部の弁護士や税理士をそろえて事業承継に関する相談を受け付ける。大林組のオフ無や総務系のスタッフも加わり、廃業や事業譲渡を考える業者についても他社とのマッチングや手続きでの支援を検討する。
「自社工事の下請けや調達先の承継を支援し、施工技術や取引関係を維持する必要がある」(建築本部長室の安部浩室長)として、1次下請けの後継者を対象とする研修会も実施している。
(日本経済新聞 7月19日)
中小企業の後継者問題は国も継続的に取り組んでいる。中小企業庁は「令和4年度当初予算事業承継・引継ぎ補助金」で、経営革新事業、専門家活用事業、廃業・再チャレンジ事業の3事業を設定している。
経営革新事業は、経営者の交代や事業再編・事業統合などによって事業承継を行なった中小企業者が、事業承継を契機として経営革新に係る取組を行う場合に、設備投資や販路開拓等にかかる取組費用の一部を補助する事業である。
専門家活用事業は、事業再編・事業統合による経営資源の引継ぎを行う取組の経費を補助する事業。廃業・再チャレンジ事業は、廃業・再チャレンジを行う中小企業者等を支援する事業。
補助内容は、経営革新事業が補助率2分の1、補助上限500万円以内。専門家活用事業は補助率2分の1、補助上限400万円以内。廃業・再チャレンジ事業は補助率2分の1、補助上限150万円以内。「中小M&A支援機関に係る登録制度」に登録された登録FA・仲介業者の支援を得ることが補助対象の条件である。
大林組が踏み込んだことで、新たな事業承継ルートが開けることに期待したい。
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