2022/06/29
居酒屋大手の鳥貴族ホールディングス(HD)は17日、グループの従業員約850人の基本給を8月から平均3・1%引き上げるベースアップ(ベア)を行うと発表した。4月に行った値上げによる増収を従業員に還元し、人材確保につなげる狙いがある。
全国転勤がある総合コースの社員が月額1万円、転勤範囲が限定される地域限定コースの社員が8000円増える。鳥貴族HDは「従業員の待遇改善が企業価値の向上につながる」として実施を決めた。
鳥貴族HDは4月、4年半ぶりに、フード・ドリンクを全品値上げした。
(読売新聞オンライン 6月15日)
鳥貴族ホールディングスの平均年収は公開情報によると572万円(平均年齢39・1歳)。5年間のデータだが、上場飲食企業の平均年収は、東京商工リサーチによると495万1000円(前年度比2.5%増)だった。
上場企業全体の平均年収は約650万円だから、飲食企業の水準はかなり低い。鳥貴族HDの年収も飲食企業の平均を上回っているものの、上場企業全体の水準にはおよばない。
情報サイト「年収ランキング」(2022年版)を確認すると、飲食業の平均年収は504万円だが、上位企業の水準は高い。
高い順に列挙すると、コメダホールディングス974万円、スシローグローバルホールディングス848万円、ロイヤルホールディングス707万円、吉野家ホールディングス707万円、サンマルクホールディングス705万円、トリドールホールディングス695万円、WDI695万円。
飲食企業にとって、当面の焦点は値上げトレンドが集客にどう影響するのか。仕入れ価格が高騰する中で、人材確保のために人件費を上げなければならないのはダブルパンチだ。
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