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就活はヤマ場、対面面接へ回帰 航空・旅行業、採用を再開

2023年に卒業を予定する大学生らの面接や筆記試験などの採用活動が1日に解禁され、就職活動のヤマ場を迎えた。オンライン面接を対面に戻す動きが広がり、併用する形が主流となりそうだ。コロナ禍で打撃を受けた航空・旅行業界は需要増を見込んで新卒採用を再開。コロナ禍後を見据え、全体として企業の採用意欲は堅調だ。
 コロナ禍での採用選考は3度目となるが、直近の感染状況は減少傾向。感染防止対策が浸透しており、企業は学生の人柄を把握しやすい対面への回帰を徐々に強めている。
 全日本空輸は3年ぶりに事務や技術職の新卒採用を実施。1、2次面接はオンライン、最終面接は対面で行う。(共同通信 6月1日)

初対面の相手とオンラインで面談しても、通り一遍のやりとりなら十分に可能だが、本音を引き出すような踏み込んだやりとりはそう簡単ではない。相手が元気かどうか、エネルギッシュかどうかも画面では生気を感じられないので、音声情報に頼る以外になく、限界があることは否めない。
 立ち姿や歩き方にも性格が反映されるが、これもオンラインではつかめない。端的にいえば、定量的な情報は入手できるが、定性的な情報の入手が難しく、オンライン面談が当たり前になると、定性的な情報に鈍感になってしまうのではないのか。
定量的な情報の入手で満足してしまう弊害もある。質問する側もマニュアル発言、答える側もマニュアル発言———。対面での面接が復活したのは、対面でないと人物が見えないからだろう。
 ところで2023年春卒業予定の大学生の就職内定率は、リクルートの調査によると、5月15日時点で前年同時点より6・2ポイント上昇の65・4%。コロナ禍で多くの企業が抑制してきた新卒採用が復活した。採用意欲の高まりも、対面での面接でしっかりと適性を見極めようという動きを促しているといるようだ。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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