2022/06/08
6月の株主総会シーズンを控え、資産運用会社が女性取締役ゼロの投資先企業に対し、総会議案に反対する動きが広がってきた。これまで海外運用会社が先行してきたが、国内勢でもアセットマネジメントOneや三井住友トラスト・アセットマネジメントが議決権行使基準に盛り込んだ。主要企業で女性取締役ゼロの企業は5割に上り、対応が課題となる。 アセマネOneはTOPIX100の構成企業を対象に、女性取締役が不在の場合、代表取締役の専任に反対する。三井住友トラストAMも女性取締役の登用に関する対話に企業が応じない場合や改善がみられない場合、在任期間が3年以上になる取締役全員の選任議案に反対することを検討する。 企業に取締役会の多様性を求める動きは、海外投資家が先行してきた。米議決権行使助言会社のグラスルイスは年々基準を厳しくしており、現在はすべての上場企業について多様な性別の取締役がゼロの場合にトップ専任に反対推奨する。(日本経済新聞 5月31日)
内閣府男女共同参画局の調査によると、2012年から21年の9年間で、上場企業の女性役員数は約4.8倍に増えたが、その割合は依然として7.5%(21年7月末時点 東洋経済新報社「役員四季報」調べ)と低く、諸外国の女性役員割合と比較しても低い水準にとどまっているという。 女性活躍を評価対象とする株価指数のひとつ、「MCSI日本株女性活躍指数(WIN)」で 評価される項目は、①女性の就職に関する項目②女性の継続雇用に関する項目③女性の昇進に関する項目④会社の女性雇用に関する情報公開姿勢に関する項目⑤会社の女性雇用に関するポリシーや取組に関する項目。 「JPX/S&P設備・人材投資指数」は、職掌によらず女性従業員の保持に務めていること、同一職種の男女間において同一水準の賃金を維持していることを評価する。 グラスルイスの意見表明が今年の株主総会にどんな影響を与えるのか。女性役員の起用は企業に実害が発生しない限り、そう簡単に進みそうにない。
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