2022/05/27
政府は企業に対し、男女の賃金差の公表を義務付ける方針を固めた。上場・非上場を問わず、301人以上を常時雇用する企業を対象とする。6月に決める「新しい資本主義」の実現に向けた計画に盛り込み、早ければ年内の施行をめざす。男女の賃金格差は女性登用の遅れなどを映す。男女の対等な評価を通じて人材の多様性を高め、企業の成長につなげる。 女性活躍推進法に関する省令を改正する方向だ。同法は女性役員の比率や、男女の平均継続勤務年数の差異などの公開を求めている。今夏にも労使の代表が加わる厚生労働省の専門家会合で議論を進める。 対象は「常時雇用する労働者が301人以上の事業主」とする。企業の単体ベースで、賃金額ではなく、男性の賃金水準に対する女性の比率をホームページなどで開示してもらう。 (日本経済新聞 5月20日)
労働基準法第4条は「使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない」と規定しているが、雇用者は労基法を理解していても遵守するとは限らない 国税庁の「令和2年分民間給与実態統計調査」によると、平均年収は433万円で、男女別では男性が532万円、女性が293万円。男女で239万円の差が開いた。雇用別ではどうだろうか。 正規雇用の平均年収は496万円 で、男性:が550万円、女性:が384万円 。男女差は166万円だった。非正規雇用の平均年収は176万円。男性:が228万円、女性:153万円で、男女差は75万円だった。 男女間の賃金格差には、男女の平均勤続年数や管理職比率の差が反映されているが、ともかく格差の解消が急務なのである。厚生労働省は現状の見える化を提言し、①採用、配置、昇進・昇格、賃 金などさまざまな雇用管理データを男女別に集計・指標化②統計データに現れてこない社員の意識にアンケート調査――についてツールを用意しているが、格差解消への問題意識が働かなければ、ツールの存在にも気づかない。 その意味で、一定の強制力をもった対応が必要である。
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