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リクルートが最高益 3000億円、採用需要が増加

リクルートホールディングスが16日発表した2022年3月期連結決算は、売上高が前期比26.5%増の2兆8717億円、純利益が約2.3倍の2968億円でいずれも過去最高だった。新型コロナウイルス禍からの経済再開を受け、国内外で企業の人材採用需要が高まり、利益を押し上げた。  
出木場久征社長は決算記者会見で「コロナからの回復が、特に米国で想定を超えたスピードで進んだ」ため、利益が予想を上回ったと説明。一方、国内に関しては求人数、求人広告とも「先進国の中では出遅れが目立っている」と指摘した。  
23年3月期の連結売上高は3兆3千億円を見込んだ。
(共同通信 5月16日)

2014年にリクルートが東証一部(当時)に上場したとき、リクルートOBの常見陽平氏(現千葉商科大学准教授)にインタビューさせていただいた。一部を抜粋する。
――同社は50年以上の業歴を持ち、年間売上高1兆円を超えているのに、世間では“永遠の新興企業”というイメージを持たれています。上場で、そうしたステータスに変化は起きそうですか?
常見 新規事業をどんどん開発して、いつの時代にも新鮮味を持ち続けているという意味では、新興企業というイメージは必ずしも悪い面ばかりではないでしょう。社格については、1兆円企業になってもインディーズ感が非常に強いですね。日本の経済界でのランクではリクルートは常にセカンドベストで、例えば経団連などで一定のポジションを得るようなエスタブリッシュメントには入っていないと見ています。仮に時価総額が電通や博報堂を上回るようなことがあっても、社格は両社よりも下のままだと世間は捉えるのではないでしょうか。
――社格については、経営陣の間で「あえてエスタブリッシュメントに加わらない」という価値観が継承されているのでしょうか? それとも、社格を上げたくても上がらないというのが実情なのでしょうか?
常見 それはわかりませんが、ただ、上場して3年以内に方向性の答えが出ると思います。日本の経済界で指導的な地位を得ようとするのか、それとも国内のステータスはどうでもよくて、国際的なステータスを得ようとするのか。
いまやリクルートは海外売上比率が約50%に達した。常見氏が予見した「国際的なステータス」獲得に向かっているようだ。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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