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コニカミノルタ、女性管理職を30年に5割

コニカミノルタは女性の管理職比率を5割に高める。まず海外拠点の社員を対象に2030年までの達成を目指す。海外の社員約3万人の中から優秀な人材30人を選抜し、将来のリーダー候補も育成する。デジタル化など産業構造の変化で企業が変革を迫られるなか、多様な人材を管理職に据えることで、イノベーションを生みやすい組織にする。 全グループ社員約4万人のうち、まずは約3万人の海外社員を対象にする。21年3月末時点では約3500人の海外の管理職に占める女性比率は約29%だった。足元で1割未満にとどまる国内も30年で3割まで高める。 既に活躍している女性社員を選び育成を始めた。新卒採用でも女性比率の引き上げを進めている。足元での新卒採用に占める女性比率は35%だが、技術系でも女性を積極的に採用し32%を確保しているという。 評価制度を変更して若手社員も管理職に抜てきしやすくした。4月には31歳の若手社員が執行役員に就いた。外国人幹部も増やす。(日本経済新聞 5月3日)

女性管理職の起用状況を確認しておきたい。帝国データバンクが女性管理職について大規模な調査を実施した。調査期間は2021年7月15日~31日、調査対象は全国2万4,285社で、有効回答企業数は1万992社(回答率45.3%)。  調査によると、女性管理職の割合は平均8.9%。過去最高を更新し、前年比も1.1ポイント増で過去最大の増加幅となったが、それでも政府目標の「女性管理職30%以上」を超えている企業は8.6%(同1.1ポイント増)にすぎない。 女性従業員の割合は平均26.5%(同0.7ポイント増)で、女性役員の割合は平均11.8%(同1.0ポイント増)だった。  一方、女性管理職の割合が増えると見込んでいる企業は22.6%となり、前年より0.9ポイント増加した。この割合は大企業と中小企業の差が顕著で、大企業では33.9%だが、中小・小規模企業ではそれぞれ19.1%、11.4%にとどまった。さらに約4割の企業では女性登用を「進めていない」という回答だったことから、女性管理職の起用に格差が開きそうだ。  その点、コニカミノルタは30年までに女性管理職比率を5割に引き上げる方針なので、先行的な事例になるだろう。経営判断にさまざまな影響を与えるのではないだろうか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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